大正時代に創業した衣料製造販売を行う青野株式会社が、昭和38年(1963)に土地の整備を行い白龍園を造園を始め20年の歳月を掛けて完成。これまで非公開であったが、平成24年(2012)に期間限定で初公開された。
2012年に初公開された白龍園。当初は1日限定100人で出町柳駅のみでのチケット販売となり、平日でも朝9時には売り切れる幻の庭園でした。コロナ禍の2020年に庭園の方に伺ったところ、現在では現地でチケット購入でき、平日であれば紅葉シーズンでも30-40人ほどに落ち着いているとのこと。なお2024年は春と秋のみ公開で事前予約制と表記されている。
まずは前庭となる枯山水から撮影。白龍園の最大の魅力はなんといっても苔だろう。人数制限がなくなった現在でも、駐車場がないため車では向かえず、京都駅から電車を乗り継ぎ1時間以上かかります。そのため訪問者も限られ、苔を踏まれることも少なく、また庭師が丁寧に整備していることより、このようなコンディションを保っているのだろう。
前庭にある三尊石は風格がある。
苔で覆われた石段を、苔をよけながら登って行く。
その先には苔むした庭に、昭和47年頃に作成された清風亭がある。苔が枯れているところがなく、実に美しい。
山畔沿いに南北に延びる池泉が造られている。石橋の先は、枯滝石組のような意匠がみえる。
反対方向から石橋を撮影。華奢で今にも折れそうな石橋は商品であり、桃山時代を感じさせるものだ。そして石橋の先の斜面に集団石組がみられる。これを私が勝手に枯滝石組と表現したところだ。
鶯亭から彩雲亭へ向かって飛石が連なる。飛石の周りは苔で覆われ涼しげだ。
高台から龍吟亭(りゅうぎんてい)を望む。焦点距離18mm(35mm換算)で4枚撮影したものをパノラマ結合。
龍吟亭前には、霰こぼし(あられこぼし)。「霰こぼし」とは平らな面を路面になるように敷き詰められた敷石であり、日本庭園の最高峰である桂離宮で見学したものに匹敵する美しさである。
白龍神社へ向かう参道は、神聖な空間だ。
高台にある福寿亭。
最寄り駅の叡山電鉄鞍馬線の二ノ瀬駅。約15分間隔となっており、十分な本数がある。
2本に1本ぐらいは展望列車「きらら」であり、シートが横を向いているところがあり、窓ガラスが上面まである。写真は「もみじトンネル」と呼ばれる区間であり、叡山電鉄のハイライトだろか。ただ僅か1分ほどの区間ではあるが。。
○ | 庭園が良く整備され、特に苔と霰こぼしが美しい。 |
× | 古庭園としての魅力は少ないが、足を伸ばすだけの価値ある庭園だ。 |