学問の神様でも知られる北野天満宮は平安時代(947)に創建した神社。江戸前期の歌人であった松永貞徳(ていとく)にて作庭されたと伝わる「花の庭」が令和4年1月に再建された。
江戸時代に「雪月花の三庭苑」として歌人・松永貞徳によって作庭された伝承される。明治以降は現存していなかったが令和4年に再建され、梅の開花シーズンのみ公開されるようになった。ということで、公開初年度に夜行バスで横浜から訪問。
池泉庭園のように感じるが、公式サイトでは「枯山水」と表記されているため、当サイトでも枯山水に分類。池泉には洲浜が造られているが、メンテナンスを考慮してコンクリートで補強されている。令和2年に改修された小石川後楽園の洲浜も同様であり、多くの人が足を踏み入れる場所であれば、安全性も考えて一般的な工法なのだろう。
青石を使った自然石による石橋。
険しい渓谷に見立てたような滝石組が造られており、本庭園での見どころだと感じる。
土曜日に訪問したが、開園15分前には10人ほどの並んでおり開園10分前には受付を開始した。開園後1時間ほど撮影していたが、それほどの混雑は感じされなかった。入園料1000円が一定のハードルになっているのだろう。夜間ライトアップも開催されているが、一度園外に出てしまうと再度入園料が必要となる。昼間の最終入園が午後3時40分のため、ライトアップまで滞在し続けるのは現実的ではなく、もう少し配慮があると嬉しい。
長石の周りを石を取り囲む石組は、涅槃図をイメージしたのだろうか。涅槃図:釈迦の最期をイメージしたもので、釈迦(長石)の周りを弟子が取り囲む様子を描いている。
苔の野筋には波をイメージしたかのように石を敷き、躍動感ある意匠になっている。
「雪月花の三庭苑」のうち「雪の庭」と名付けられている妙満寺。北野天満宮から公共交通機関で1時間、車で20分ほど離れていますが、見応えありお薦めです。
「月の庭」と名付けられているのは成就院。清水寺の本坊であり、期間限定で公開しているが撮影禁止だ。こちらの写真は「花の庭」で掲示されていたパネル写真を撮影したものである。(パネル写真は撮影禁止ではないことを確認済み)
○ | 梅と枯山水のコラボレーションを楽しめる。また別記事で紹介している船出の庭も見学できるのが良い。 |
× | 「花の庭」だけあり、主題は梅にあり古庭園としての要素は薄めである。 |