払田分家庭園
ほったけぶんけていえん
東北三大地主である池田家の本家庭園が平成16年に国指定名勝を受け、平成20年には払田分家の庭園も国指定名勝の追加指定を受ける。払田分家は、13代池田文太郎の弟・礼治によって分家した際の邸宅と庭園であり、旧池田氏庭園同様に日本初の公園デザイナーでもある長岡安平によるものである。
地元では紅葉の名勝としても知られる払田分家庭園。本家の旧池田氏庭園は明るく解放的で悠然とした庭園に対して、払田分家庭園は凛とした佇まい、深山幽谷の風情が漂う庭園となっている。池泉には中島を一つ設けている。
土橋の西部には池泉から続く流れが設けられ、低い護岸石組と洲浜が詫びてて良い。
中島は亀島にもみえる造形であるが、如何せん植栽が伸びきっているのが残念。
対岸の洲浜には、かつては雪見灯籠が置かれて旧池田氏庭園と似た意匠となっていた。四阿に展示されている写真にその様子が載っている。
四阿の奥は平庭となっている。
庭門跡越しに平庭を望む。
平庭には力強い石をいくつか据えている。
特に印象的だったのがこちら。木の根が石を包み込むように成長しており、木々の生命力を感じさせてくれる。
正面の石が先ほどの石であり、平庭を回遊できるように苑路が造られている。
払田分家庭園の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 紅葉シーズン以外に訪問すると国指定名勝庭園であることを忘れてしまうような特徴のない池泉回遊式庭園であるが、護岸石組や洲浜や平庭の据えた巨石を観察すると歴史を感じさせる風情がある。 |
× | かつての写真を眺めていると、中島の木々や、池泉周辺の植栽を伐採して池泉周辺の視界を開放した状態が当時の姿であるため整備を望みたい。 |