筑豊の炭坑王・伊藤伝右衛門邸。後に歌人として知られる白蓮(びゃくれん)の嫁入り道具として持参した石灯篭をきっかけに、明治後期から昭和初期にかけて池泉庭園を造園。2011年に国の指定名勝を受ける。
築山に建つ茅葺き屋根の四阿(あずまや)と邸宅。昭和ドラマで使われそうな重厚感ある邸宅に圧巻。
大きな石で川の流れを表現した枯流れ(かれながれ)式枯山水がみられる。
石で造られた太鼓橋。
旧伊藤伝右衛門氏庭園は邸宅からの眺めに重きを置いて造られている。私のような額縁庭園好きには堪らない庭園だ。では、巡ってみよう。まずは本座敷から四阿(あずまや)をとらえる。
同じく本座敷から庭園を望む。うーん。気持ちイイ。縁側に寝転がって眺めたくなる。
本座敷の広さが分かる1枚。日曜日に取材しているため閑散とはしていないが、混雑感もなく誰もいない空間での撮影もできる。
東座敷から楽しむ「ダブル額縁庭園」(私の造語です)
2階に上ってみよう。2階は妻・白蓮(びゃくれん)の居間となっている。障子の組み合わせより面白い「十字型の額縁庭園」を観られる。
2階から太鼓橋を見下ろす。2階から額縁庭園を楽しめるのは全国的にも少なく貴重だ。
2階の角部屋。フラッシュを使わずに画像処理で室内を明るく表現。このようなときは、Adobe Lightroomで着物周辺を円形フィルタでシャドウハイライト処理させるのが有効。撮影時は低感度(ISO100~200)で、窓の外に露出を合わせて室内が真っ暗になるぐらいな撮影をしておくことがポイント。白飛びは画像処理で解決できないが、低感度での撮影では暗部の持ち上げは余裕があるからである。
再び1階に戻って食堂へ。ここでも額縁庭園が楽しめる。人も少なく額縁庭園の撮影練習には最高の場所だろう。
気持ちいいので、もう一度庭園を散策してみる。芝生のグリーンと邸宅の漆黒の外壁がよくマッチする。
庭園の案内図があったので撮影してみました。噴水の案内もありましたが、取材寺は水は吹き出していませんでした。 [ 案内図を拡大する ]
○ | 邸宅からの眺めを重視した庭園であり、あらゆる居間から額縁庭園を撮影できる。特に2階から庭園を眺められるのは貴重だろう。 |
× | 庭園の散策路が限られているのが勿体ない。様々な角度から庭を楽しみたい。 |