常高寺 滴翆園(滴翠園)
じょうこうじ てきすいえん
常高寺は織田信長の姪にあたる浅井三姉妹の次女の菩提寺。江戸初期(1630)に創建された臨済宗妙心寺派の寺院である。地割りから庭園も江戸初期に作庭されたものと推測。
地元では花菖蒲園で知られる常高寺には、滴翆園(滴翠園)と名付けられた池泉観賞式庭園がある。借景となる山と傾斜地を活かした庭園で紅葉も美しい。
池泉を細長く作っているのは江戸初期にみられる地割りであることから、本庭園の原型は常高寺が創建された江戸初期に作庭されたものと推測した。
護岸石組は大小不規則な石を使っている。斜面上部には石塔、そして護岸沿いに置かれた石灯篭も品良く美しい。
池泉西部には3本の細長い切石を架けている。
滴翆園(滴翠園)は東西に伸びており中央部となるこちらが最も美しい。斜面に石組を配し、河川から池泉へと曲線を描きながら水の流れを設けている。そして斜面に滝石組を設けている。
正面には滝石組、左手には三尊石組。
ポジションを変えて撮影。滝上部の更に上段(写真上部)にも石組を設けている。
滝石組、三尊石、石橋を撮影。滝石組は細長く急で、途中2ヶ所に石橋を設けている。
今にも折れそうな薄くて華奢で美しい石橋。
池泉と池泉を流れで繋ぐことにより、庭園全体に一体感を生み出している。
滴翆園(滴翠園)東部の池泉は、これまでの作風とうって変わって巨石によって造られている。おそらく後世に造られたものだろう。
石垣のような滝石組を造っている。
池泉中央部を望む。庭園が多く存在する小浜市でも、圓照寺と並ぶ美しい庭園といえよう。
傾斜地に茶畑のような刈込みを設けており、変化を付けているのも面白い。
○ | 細長く伸びた池泉と滝石組が美しい。傾斜地に設けられた茶畑のような刈込みも見逃せない。 |
× | 特に見当たらない。 |