常陸水戸藩の第9代藩主・徳川斉昭(なりあき)により、造園構想から僅か1年後の1842年に偕楽園として開園。1873年に公園制度により「常磐公園」命名。大正11年(1922)に国の史跡、名勝に指定される。昭和32年(1957)に「偕楽園」と再び改称される。水戸の梅まつり110周年を記念して、2006年より夜のイベント「夜梅祭」が毎年開催される。
見晴らし広場付近から梅を眺めるカップル。
偕楽園といえば好文亭。木造三階建てで徳川斉昭自身が建築意匠まで定めたと言われている。ちなみに、東京ドーム60個分の広大な偕楽園ですが、日本庭園は好文亭の露地(茶庭)と梅桜橋近くの池泉庭園のみであることが、兼六園と後楽園の大きな違い。
好文亭の「つつじの間」には、三連の和明かりが飾られている。好文亭に星型やキノコ型の明かりもあり、歴史ある建造物に若々しいデザインを取り入れている。素晴らしい! なお、こちらの和明かりは、ライトアップ期間だけと思われます。
東塗縁広間(ひがしぬりえん)。ここから眺める茶庭が一番のハイライトだろうか。3方向のトリプル額縁庭園を楽しめるのが嬉しい。
同じく東塗縁広間から茶庭を望む。照明施設の取り付け方向から、好文亭ライトアップ時に広間から庭園を眺めると眩しく感じられるだろう。
同じく、東塗縁広間から坪庭を眺める。
好文亭3階に上がってきた。偕楽園の本園は高台にあり、その3階であるため眺望が素晴らしい。奥にみえる湖が千波湖(せんばこ)であり、その手間には本園外にある田鶴鳴(たづなき)梅林である。
好文亭3階の楽寿楼(らくじゅろう)の畳の縁には、徳川家康の家紋「葵紋(あおいのもん)」が!
好文亭に敷地にある迎付(むかえつけ)や、後座の席入りを待つ「腰掛け待合」。迎付:亭主が客を迎えに出ること
表門近くには、数千本におよぶ孟宗竹林(もうそうちくりん)。こちらはライトアップイベント「光の散歩道」開催時にはライトアップされるが、その様子は梅のライトアップ以上に美しい。孟宗竹:国内では最大の高さを誇る竹の種類。竹の種類名は、冬に母のために寒中筍を掘り採った中国・三国時代の孟宗からきている。(271年没)
梅桜橋近くの池泉庭園。こちらもライトアップイベント「光の散歩道」開催時にはライトアップされます。
本園を出て、 猩々(しょうじょう)梅林にやってきました。本園外の梅林はいずれも平成になってから開園されたこともあり、木々が若く、梅の華やかさを楽しむのであれば、実は本園よりもお薦めだったりします。
偕楽園の案内図。南北が逆になっているのでご注意を。満開時の梅まつり時期の週末は、午後から駐車場は待ち行列になります。 [ 案内図を拡大する ]
○ | 梅まつり時期は、昼も夜も見応え十分で特に夜のライトアップ(梅夜祭)は必見。好文亭は夜間も見学でき、竹林や池泉庭園もライティングされ、古庭園では最高峰のライトアップイベントであろう。 |
× | 日本庭園を純粋に楽しもうとすると、消化不良となる。また本園の梅林は、老木のため品格はあるが華やかさには欠ける。 |