懐徳館庭園は、旧加賀藩主・前田氏の庭園として庭師・伊藤彦右衛門に依頼して明治43年(1910)に造園。大正15年(1926)に東京大学に寄付され、平成27年(2015)に国指定名勝を受ける。普段は迎賓館として利用され一般見学できないが、年1回のホームカミングデー(通常10月)のみ一般公開される。
年に1日だけ一般公開される東京大学にある国指定名勝の懐徳館庭園。懐徳館からカーブを付けて配置された飛石で日本庭園へと繋がる。また、旧加賀藩主・前田氏の庭園であったこともあり、石灯籠の火袋が前田家の家紋である梅の花びらをした「加賀梅鉢」となっている。
現在は枯山水庭園となっているが、1911年に撮影された写真をみると水が張られた池泉庭園であった。現在の懐徳館の場所には、二階立ての西洋館が建てられていたが、東京大空襲により焼失。
枯流れには自然石による石橋が架けられている。池泉庭園だった頃は、当時の写真で見る限りさらに大きな巨石であったようだ。
石橋を渡り、築山の裏手へ向かうと懐徳館庭園での最大の見所といえる枯滝石組がある。滝石組は滝を北向きに落とし、滝下で流れを曲げて枯池へ繋がる。懐徳館庭園の解説書によるとこれは築山形式の庭園のセオリー通りの意匠とのこと。
滝下から滝上を見上げると、巨石で構成された豪壮な造りであることが伝わってつくる。
立石を中心とした石組で構成された滝上部。滝石組の中心となり、滝水が落ちる部分に配置された水落石(みずおちいし)には、かつて水が流れてできたような縦筋の模様が残っている。
滝上部を斜め上から撮影。
滝下から枯流れとなっていく。
懐徳館から芝庭越しに日本庭園を眺める。1年で1日だけの一般開放だけあり、多くの人で賑わっていた。ただあまり知られておらず、東京大学敷地内ということもあり、騒がしいという感じではない。
三四郎池と間違わないように、懐徳館の場所を大きく追記。 [ 案内図を拡大する ]
○ | 都内屈指の枯滝石組がみられる。また当日配布されるリーフレットの解説が詳しくて役立つ。 |
× | もう少し公開日を増やして欲しいと思う。 |