旧河島家住宅
きゅうかわしまけじゅうたく
河島家は江戸初期(1610)に初代石見銀山奉行となった大久保長安に認められ、代官所に勤めた役人として銀山経営や銀山領内の支配にあたっていた。主屋は江戸後期(1800)の大火後に再建。平成2年(1990)に修復し同時期に塀と庭を復元している。平成5年(1993)には大田市指定文化財となる。
訪問前夜に旧河島家住宅が石見銀山にあることを知り、5時半に早起きして水島美術館の庭園を取材後に8時に石見銀山エリアに到着。レンタサイクルを借りて、龍源寺間歩の坑道散策や清水寺前休憩所で枯山水を見てから旧河島家住宅へ。
江戸時代に建築された上級武士の邸宅で、庭などは平成に復元したものであるが、コンパクトながら品格のある枯山水だ。
雪見灯籠だけ風合いから新しさを感じるため、時代が異なるものだろうか。
品の形に配置した三尊石。中尊石はどっしりとして立石、脇侍石は横石と伏石となった力強い石組である。ただ三尊石左の植栽がやや大きく、三尊石の存在感を弱めているのは惜しいところだ。
三尊石の左にある植栽により書院からはほぼ見えないが、風合いと形の良い立石がある。
外縁から枯山水を眺める。庭園の2ヶ所の外扉を結ぶように飛石が打たれ、白砂と苔庭がゆるかわに曲線を描く心地よい地割りである。
座敷中ノ間からの額縁庭園。中央には三尊石。
玄関前の庭園も品がある。
○ | 石見銀山で上級武士の武家屋敷を唯一公開している旧河島家では、コンパクトながらも品格のある枯山水を見学できる。 |
× | 植栽により三尊石の存在が弱まっている。 |