全国に約450社ある貴船神社の総本社。京都の奥座敷での川床料理や、近年では陰陽師の聖地としても人気が高まっている。本宮には重森三玲による石庭「天津磐境」、結社(中宮)には舟石「天乃磐船」、奥宮には「御船形石」がある。
早朝6時から重森三玲の庭園を見学できる貴船神社。京都の大半の寺院は9時開門のため、早朝から活動したい人にはお勧めだ。ただ注意点がひとつ。京都駅から始発を使い、朝6時40分には最寄り駅となる比叡山電鉄・貴船口駅まで到達できるが、貴船口駅から貴船までのバスは9時からだ。本宮までは2kmで徒歩約25分だが、気持ちよい区間で徒歩も良いだろう。なお車の場合は駐車場は24時間出入りできるが、駐車場は全部で25台しかなく、朝到着以外は混雑するだろう。
さて、こちらの石庭は「天津磐境(あまついわさか)」と呼ばれ、古代の人々が神祭りをおこなった神聖な祭場「天津磐境」をイメージして造られた石庭だ。実際に天津磐境として祭祀を行った場所として伝わるのは、倉敷市の阿知神社が有名である。
苔付いた手水鉢。
本石庭は貴船名石保存のため、すべて貴船川から産出された貴船石で石組されており、舟形のような形をしている。これは桓武天皇の母である玉依姫命(たまよりひめのみこと)が、水源を求めて黄船に乗って淀川、鴨川、貴船川を遡ってこの地に来られたという貴船神社創建の伝承にちなんでいる。貴船神社の由来は、この「黄船」にある。(諸説あり)
続いて本宮から徒歩3分ほどのところにある結社(ゆいのしろ)。その名の通り縁結びの神様が祀られているとされる。ちなみに結社は本宮と奥宮の間にあることから中宮とも呼ばれる。
結社には「天乃磐船(あまのいわふね)」と呼ばれる巨大な舟石を据えている。これは平成8年(1996)に地元の造園業者から奉納されたものだ。本宮同様に、貴船神社では舟は神様の乗り物として神聖視されている。
別角度から舟石を撮影。
もう1枚。これまで数々の舟石を見学してきたが、これに勝る迫力のある舟石はない。
結社から徒歩6分で、貴船神社創建地とされる奥宮に到着。
神様が乗ってきたとされる黄船は、ひと目に触れぬように石で包み囲んだ「御舟形石」。
別角度から撮影。
奥宮の隣に枯山水があるとおもったが、あとから調べると「社殿の改築時に仮の社殿を立てる場所」とのことで、それを権地(ごんち)と呼ぶそうだ。初めて知った・・・
貴船神社の案内図。バス停から奥宮までは本宮、結社を経由して徒歩15分ほどかかる。 [ 案内図を拡大する ]
○ | 本宮、結社、奥宮の三社詣により、貴船神社で神聖視されている舟石をモチーフにした石庭や舟石などを見学できる。ひとつの物語になっており感慨深い。 |
× | 特に見当たらない。 |