岡部記念館「金鈴荘」
おかべきねんかん「きんれいそう」
金鈴荘は明治時代に呉服店2代目の岡部久四郎が数十年の歳月をかけて建築。昭和27年まで岡部家の別荘として使われ、昭和63年までは割烹料理店「金鈴荘」として利用。その後、市が借り受け岡部記念館「金鈴荘」として保存。現在は市に寄付されている。建築物は県の指定有形文化財に登録されている。
江戸時代に真岡市では綿の栽培が盛んに行われていた。この地元特産の真岡木綿を取り扱った岡部呉服店の別荘だったのが、現在の金鈴荘である。
芝庭を中心にした池泉回遊式庭園で、流れに囲まれた場所に東屋を設けている。
東屋には洲浜風の意匠を施しているが、人工感が出過ぎているのが勿体ないと感じるところだ。
庭園には2ヶ所に枯山水のような庭園を造っている。
滝石組は二段落としで、上段下段ともに水を左右に分ける水分石を配している。上段の滝石組で水が流れ落ちる石「水落石」の上部に雑草が茂っていることで、滝石組の存在を弱めてしまい勿体ない。
もう1ヶ所の枯山水。
内側から撮影してみると、このように白砂で大海を表現しているのが分かる。
金鈴荘と東屋。
お気に入りの1枚。
書院から大きな飛石で金鈴荘と平行に直線状に伸びる延段に合流。右手に進むと飛石が再開、左手に進むと水の流れに沿って緩やかなカーブを描く延段に繋がる。このように延段と飛石の使い方が上手い。
2階から庭園を眺められたが、コロナ禍とうこともあり訪問時は閉鎖されていた。また機会があれば再訪問して2階から庭園を眺めてみたいものだ。
○ | 金鈴荘と平行となる直線状の延段と、水の流れに沿った弧を描く延段。延段の使い方が自然でいて美しい。 |
× | 東屋の洲浜が、小石を敷き詰めたものであれば、さらに良かっただろう。 |