毛利家の第29代当主・毛利元昭(もとあきら)が明治25年(1892)に着工して大正5年(1916)に建てた邸宅。平成8年(1996)に毛利氏庭園として国指定名勝に指定される。
庭園と博物館のチケットがあるが、この写真のように旧毛利家本邸(本館)からも庭園を眺めるためには博物館のチケットが必要となるため共通券を購入。まずは、二階から全景を眺める。奥に見える山は左手が江泊山(標高264m)、右手は錦山(標高352m)であり、だいたい東京タワーぐらいの高さである。緑が広がるところまでが庭園であり、その広大さがわかる。さすがは毛利家。
庭園の南側からひょうたん池越しに旧毛利家本邸を望む。背景には雄大な山が控え見事な借景である。地図でみると分かるが、借景となっている山には、いくつものゴルフコースが造成されているが、毛利氏敷地内からはゴルフコースが分からないように工夫されている。
ひょうたん池に近づいて撮影すると、多くの巨石が組まれていること分かる。高さ3.5mの巨石の水落石から水が流れ落ちるようになっており、滝壺の正面近くには大きな平天石(へいてんせき)があるが、これは水を左右に分ける水分石の役割をもっている。平天石:石の上が平らな石
その巨石に近づくと、急峻な渓谷に見立てているようにもみえる。写真の中央上部に石灯籠がみえるので、そのポイントへ向かってみる。
すると、比較的あたらしめの石灯籠があり、右手にはアーチ状の切石橋を架けている。
切石橋を渡って、石灯籠の方向を撮影する。松などの植栽が豊かである。
石橋の反対側には、川が造られている。全体的に丸みを帯びた石が使われており穏やかさを感じさせる。
旧毛利家本邸を眺める。堂々たる風格と、素晴らしいロケーションである。
毛利邸宅の本館から書院越しに額縁庭園を撮影する。
巨石を中心に、椰子の木と形状がよく似ている蘇鉄(ソテツ)や、松などの植栽が配された中庭を二階から撮影。蘇鉄が用いられたのは室町時代からといわれ、全国各地の日本庭園でよく見られる。
最後に二階書院から庭園を見下ろす。緑の多い植栽庭園といっていいぐらいだ。
毛利氏庭園、博物館の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 抜群のロケーションであり、山を借景にした邸宅と、邸宅から見下ろす松を中心とした庭園は迫力ある。 |
× | 日本庭園として純粋に見学すると、荒削りな印象があり、古庭園の魅力を感じにくい。 |