近江孤篷庵は、徳川家康に仕えた大名でもあり茶人としても知られる小堀遠州の菩提寺。臨済宗大徳寺派の寺院として江戸初期(1653)に創建された。江戸後期以降は荒廃していくが、昭和40年に小堀遠州の子孫である小堀定泰(じょうたい)が再建して、庭園も補修整備された。
京都大徳寺にある孤篷庵といえば小堀遠州が建立した寺院であり、孤篷庵にある茶室「忘筌(ぼうせん)」は茶道では特に有名な茶室である。その小堀遠州が眠る墓がある近江孤篷庵が長浜にある。まずは二方向に広がる額縁庭園を撮影。
まずは東庭の池泉庭園から観賞。琵琶湖に見立てた池の奥には、山に集団石組を配して、左手は自然の土手を取り込んで下部には石組がみられる。
集団石組は丸みを帯びた小振りな石で組まれている。
池泉北部には奥に石組、左に岬灯篭らしきものを確認できる。
石組はこのようになっており、蓬莱石組ともされている。
望遠レンズでないと分かりにくいが、とても小さな岬灯篭が置かれて可愛らしい。
このような縁側に座って池泉庭園を観賞できる。
続いて南側の枯山水を観賞していく。
石組は離れた場所にあり、間延びした感じにみえてしまうので、ここでは望遠鏡や望遠レンズを用意したいところ。
図解するとこのようになっている。まず分かりにくいが枯池に石組が置かれているという構成である。パンフレットによると枯滝石組は中国の廬山にある五老峰に見立てているとのこと。滝石組の下部には水を左右に分ける水分石、左側に舟石を配し、海を舟で漕いでいく人生を表現。また荒廃して分かりにくいが亀島、そして座禅石などで構成されている。
滝石組と舟石。2段落としの滝石組だろうか。
本堂手前の敷地にある苔庭にも石組がある。
江戸初期の遠州流庭園の要素を残す滋賀県指定名勝の庭園をのんびりと寛いで眺められた。事前予約制の赤田氏庭園同様に見応えある庭園であり、合わせて訪れてみたいところだ。
○ | 座敷から片方には池泉庭園、もう片方には枯山水と様式の異なる庭園が見られる。池泉庭園は現実の世界から、枯山水の示す浄土の世界に繋がっていくというコンセプトも良い。 |
× | 特に見当たらない。 |