留園は清の時代の1593年に造られた庭園であり、日本では安土桃山時代となる。1823年より一般開放され、蘇州四大庭園の留園、拙政園(せっせいえん)、滄浪亭(そうろうてい)、獅子林(ししりん)のひとつであり、また中国四大名園にも挙げられている。
上海から高速鉄道で30分(100km)ほどの距離にある蘇州は、東洋のベニスともいわれる庭園都市。蘇州で最も有名な拙政園と並び中国四大名園のひとつである。
冠雲峰(かんうんほう)と呼ばれる太湖石は、高さ6.5mで蘇州庭園で最大といわれる。太湖石(たいこせき)とは中国庭園で必ず見られる凹凸のある独特な石灰石である。中国では人気が高く、日本同様に神や気が宿るとされる。
岫雲峰(うんしゅうほう)と呼ばれる太湖石は高さ4.5m。
天を突くような立派な立石。
拙政園に比較すると池泉の面積割合は小さい。対岸の石組は白系と茶系の石を組み合わせ上品さある。
額縁庭園。中国庭園では窓に模様が付けられていない窓を「空窓」と呼ぶ。
このような扉越しから眺めるのも中国庭園ならではの光景だ。
神々が住むとされる神仙島に見立て石組も、やはり太湖石(たいこせき)で組まれている。
中国庭園では地面に石や瓦やガラスなどを使って伝承文様や幾何学模様を描いた鋪地(ほち)がみられる。これは明の時代から伝わるもので、中国庭園の見どころのひとつである。
中国の庭園で必ずといっていいほどお目見えするのが、洞門 (どうもん) と呼ばれる円形の門。庭園と庭園を繋ぐ出入り口の役割となっている。
石柱を組み合わせることで急峻な山に見立てており、中国の江南エリア(上海、蘇州、杭州、南京など)の庭園でよく見られる。
太湖石などを使って中国の山並みをミニチュアのようなサイズで表現したものがいくつも展示してあった。まるで盆栽のようだ。
中国四大名園の首位にある拙政園よりも、留園のほうが繊細さがあり私の好みだ。ただ、どちらの庭園も人が多すぎて落ち着かないのが惜しいところだ。
留園の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 石柱を組み合わせることで急峻な山に見立てた石組が、日本人の完成にも受け入れられる見事なものだった。 |
× | 拙政園ほどではないが、人が多すぎて落ち着かない。 |