龍泉寺庭園
りゅうせんじていえん
高野山真言宗の龍泉寺は、飛鳥時代(595)に蘇我馬子が開基した寺院。その後、池の水が枯れ果てていたが、平安初期(828)に弘法大使が祈りを告げたところ7日目の夜に豪雨となり龍が現れる。夜明けには満水となり、同時に3つの島が現れ「龍が一夜にして造った庭園」と言われることに。このような歴史的背景もありり昭和56年(1981)に国指定名勝を受ける。
大阪唯一となる浄土式庭園ともいえる。浄土とは死後の世界であり、浄土式庭園とは極楽浄土を再現した庭園である。余また園池に蓮(ハス)などがあることが多く、龍泉寺にも蓮がにられる。このように園池に蓮が好まれるのは、阿弥陀経では極楽には蓮の華が咲いていると説かれているからである。
中島にも池泉にも護岸石組はない。中央中島には春日造りの祠(ほこら)に弁財天を祀っている。
3つの島は石橋が架けられていたようだが、現在残っているのは中島に掛かる1橋だけである。
正面に見える白い建物が本堂となる。浄土式庭園は関西では宇治の平等院が有名である。
3つの中島ができあがった寺伝を知ると神聖なる庭園であることを感じる。
龍泉寺庭園の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 大阪唯一の浄土式庭園であり、借景は山となり、大阪で神聖なる古庭園を全身で感じとれる。 |
× | 国指定名勝ではあるが、観光庭園ではなく、庭園にある程度詳しい人でない物足りないと思われる。 |