山形市郷土館(旧済生館本館)
やまがたしきょうどかん(きゅうさいせいかんほんかん)
明治11年に山形県立病院として建築された擬洋風建築を、昭和44年(1969)に現地に移築され山形市郷土館として再生。国の指定重要文化財に指定されている。
霞城公園にある山形市郷土館。洋風建築の回廊に囲まれた中庭に枯山水が造られており、ここでしか見られないおもしろい構図だろう。
芝庭のなかに枯山水が造られ、いくつもの石が組まれている。
推測の域をでないが、左手前が亀島、中央が鶴島を抽象的に表現したようにも感じ取れる。
360度あらゆる方向から枯山水を眺められのが特徴であるので、別角度から撮影。手前が亀島と推測した石組である。中央の大きめの石が甲羅となる亀甲石だ。亀は万年、鶴は千年といわれるように長寿のシンボルであることから、元病院に造られたものとして不思議ではない。
さらに別角度から撮影。
3層楼にみえて実は4層の塔に登って中庭を見下ろす。上から枯山水を見下ろせるというのも面白い。ただ、こちらの写真は窓からカメラを出して撮影したもので、人間の目線だと下半分が見切れてしまう。
外庭にも枯山水を設けており、手前に亀島らしきものを確認できる。
枯滝石組。先ほどの写真で触れた中島が亀島とすると、滝の両側にある巨石による滝添石を羽石とみなすと、枯滝石組全体を鶴石組と見立てることもできる。このように感じたのは、小堀遠州によって作庭された滋賀院門跡と類似しているからである。
○ | 芝生を使うことで洋風建築と日本庭園が融合しており、また水平方向で360度、および上から見下ろせるというのも面白い。 |
× | 外庭の枯山水が手前にコスモスがあり正面から観賞できなかった。ただ、季節をずらせば良いだけの話でもあるが、少し惜しい。 |