石照庭園
せきしょうていえん
広島空港「三景園」や東京「椿山荘」などを作庭した伊藤邦衛(くにえ)によって、平成12年(2000)に作庭された池泉周遊式庭園。作庭は伊藤邦衛(くにえ)であり、名古屋の徳川園などの庭園作庭に携わっている。
ホテル椿山荘東京の庭園などを作庭した伊藤邦衛による池泉回遊式庭園。池泉に中島を設け、山畔に散策路を作り、途中にある滝石組が見所となっている。
中島の汀(みぎわ)は、切石による複数の岩島を配した独特なもの。対岸の護岸石組は巨石を組み上げ力強い。この写真だと分かりにくいが、頂部には三尊石が組まれている。
頂部を反対側から眺めると、立石と横石で組まれた三尊石組であることが分かるだろうか。
苑路に歩を進めると、第一の滝に到着。山肌の地形を活かした滝石組であり、滝壺右側ある石組が鋭く美しい。
第一の滝は、大きく二段組みになっており、とても平成に造成された滝石組にはみえない。
玉石の流れを伝って池泉へ流れ込む。
さらに苑路を進むと、第二の滝がみえてくる。急峻な山肌に巨石を積み上げている様子が分かる。
天を突くような鋭い立石で組まれた滝石組は、頂部にやや人工的な要素がみられるが力強く立派だ。
中島の東屋からの眺め。
数寄屋造りの別棟にも池泉庭園があり見逃さないようにしたい。
池泉正面には巨石による滝石組を配し、滝下には水分石を据えている。
この滝石組は、初夏にはモリアオガエルが見られることがあることから「モリアオガエルの滝」と名付けられている。ただ、植栽により滝添石が見えにくくなっているのが残念である。
先ほどの池泉庭園の南部にも小さな池泉庭園があり、こちらも滝石組が組まれている。どの滝石組も風格のある造りである。
○ | 4つある滝石組が力強く美しい。石好きであれば是非立ち寄ってみたい。 |
× | 池泉に張られた防鳥ロープに若干興ざめしてしまう。 |