東京都庭園美術館は、昭和8年(1933)に朝香宮邸として建築。首相公邸や迎賓館としても使われ、昭和58年(1983)に庭園と邸宅が調和したユニークな美術館として開業。2011年よりリニューアル工事が行われ、2018年3月21日に全面リニューアルオープンして庭園が再開放される。
7年の工事期間を経て全面リニューアルオープンした庭園美術館。オープン3日後の取材であったことに気づいたのは、本執筆の資料調査で知ることに・・・ 取材時は桜のライトアップイベント開催時あり、記事後半にはライトアップ写真を掲載。前半は8月中旬に撮影している。まずは、日本庭園を築山から望むところからスタート。
庭園美術館の屋外は、日本庭園と西洋庭園と芝庭に分かれている。日本庭園は1周5分ほどの小規模。見所ポイントは少ないが、目を惹いたのは、こちらの巨石である。力強い石から松が伸びているようにみえる。
護岸石が組まれているが、その石は弱々しい。
茶室「光華」。年に数回こちらで目の前で抹茶を点てていただける「お点前」が実施される。座敷の手前には立札席(りゅうせいせき)もある。立札席とは、座敷ではなく椅子に腰掛けるスタイルで、目の前でお茶を点てるではなく、別部屋で点てたお茶を気軽に楽しめる。その分、料金もお点前よりもリーズナブル。
西洋庭園にはパラソルを設けたテーブルが用意されている。都心を感じさせない空間だ。
桜の開花時期に開催されたライトアップイベントでの西洋庭園。緩やかな曲線を描く苑路にはフットライトが灯り、その奥には桜がライトアップされている。
東京都庭園美術館 初のライトアップイベントということもあり、まだ知られておらず、園内は10人ほどしかいなかった。
日本庭園もライトアップされているが、苑路の半分以上が立ち入りできなくなっている。
赤松のライトアップ。
旧・朝香宮邸はライトアップされないが室内の点灯により、闇に建物が浮かび上がる。
受付から庭園までのアプローチ。東京都庭園美術館のライトアップ全体にいえることだが、フットライトを多様した控えめなライティングで、暖かみと柔らかさのある演出となっており美しい。
○ | 都心にして穴場感ある静かな空間である。特に桜のライトアップは小規模ながら心落ち着く空間に仕上がっている。 |
× | 日本庭園としては、見応えがないと感じたのが正直なところである。 |