昭和30年代前半に西庭園を作庭開始。昭和40年代前半に天守閣自然公園として無料開放。昭和58年に東庭園を作庭開始し、平成24年からライトアップ「秋保ナイトミュージアム」を開始。
東北の名湯・秋保温泉にある広大な日本庭園。秋保温泉を代表する温泉旅館のひとつ「佐勘」から徒歩15分程と温泉街の散策としては程よい距離感でしょうか。同施設には日帰り温泉もある。
小屋館跡庭園は秋保石で形成されている山麓の一部が崩落して、裾野に転がった状態をそのまま利用して作られた庭園。写真のエリアは「秋保石組の景」呼ばれ、切り橋が架けられ枯流れを作っている。これほどダイナミックな石庭は山梨県甲州市の栖雲寺 石庭など数少ない。
落石した巨石で作られた滝石組。落差は1mほどであるがダイナミックで圧巻される。
巨石による集団石組は苔づき風格を感じさせる。
石庭を抜けると池泉庭園が広がる。円形の中島が2島作られ、ひとつは護岸石組、もうひとつは苔玉のように護岸石組がなく変化を付けているのが面白い。
先ほどの池泉の隣の池泉には大きめの中島が作られている。沢飛石のような石が列を成しており、中島を不老不死が住む蓬莱山に見立てれば、沢飛石は蓬莱へ向かう集団船(宝舟ともいう)が、夜のうちに船溜まりに停泊している姿を抽象的に表現した夜泊石(よどまりせき)にも見える。似たような意匠は鳥取市の観音院庭園でみられる。
大きな中島には切石による反橋が架けられている、また手前には池中立石のような岩島を作っている。
続いて東庭園へ。ここには大きな新緑が美しい足湯「やかたの湯」があり無料利用できる。
傾斜を活かした地形を活かして、上段に滝石組を造り、そこから緩やかに流れ落ちるような遣り水が作られている。
東庭園の池泉庭園。こちらにも夜泊石のような石が一列に並んでいる。その先には蓬莱石のような立石を据えている。
別角度から撮影。複雑に入り組んだ美しい池泉であるが、右手の出島の先にある岬灯籠がやや不自然。除去したほうが品格が高まるだろう。
枯滝石組と枯流れ。
こちらには枯滝石組が作られている。近代庭園であるが自然が作り出した石庭に、池泉庭園、枯山水、足湯と見応え十分である。
小屋館跡庭園(天守閣自然公園)案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 崩落した巨石による石庭は迫力満点である。また日本庭園で足湯も利用できるのも珍しい。 |
× | 特になし。 |