大根島の観光スポットとして昭和50年(1975)に開園した池泉回遊式庭園。池泉牡丹、霧の涼風ミスト、ライトアップなど季節によって様々なイベントが開催される。毎年8月と11月~1月にはライトアップイベントも開催される。
山陰地方では足立美術館と並ぶ巨大庭園の由志園。足立美術館はライトアップイベントはないが、由志園は年に数回イルミネーションを楽しめる。※雰囲気を伝えるために、実際よりも明るめに写真を調整しています。
まずは池泉庭園。庭園のライトアップイベントは全国に数多くありますが、水中イルミネーションは中四国最大規模であり、さらに色が変化していく仕掛け。ただ、私は庭園と相性のよいグリーン、もしくは温かみにあるオレンジの単一固定照明の方が好きかなぁ。
園路を進みゆくと、日中は霧で包まれる「霧の涼風ミスト」のエリアへ。
苔庭に紅葉のライトアップ。特に、照明光が直接目に入らないようにしている和傘でのライティングが素晴らしい。紅葉イベントで最大の弱点は照明施設と考えている私には、上手な施工だと感心した。
護岸石組もライティングされている。
緩やかなカーブが描かれた園路沿いの苔庭が上品に照らされている。
稲穂の棚田をイメージした黄金トンネル。写真で伝わりにくいが、こちらのインパクトは凄く感動的であった。思わず何周もしてしまったエリアだ。
出雲富士と藤棚をイメージしたエリア。やや子供向けのライティングであるが、十分に愉しめる光空間だ。
その先は、しっとりとしたオトナの世界へ。朱色に染まる紅葉山。
最大の見せ場である赤橋からの紅葉。余分な光りを抑え、漆黒の池泉にリフレクションした紅葉が上品である。
霧の枯山水とレーザによる演出。シックな紅葉エリアのあとだけに、そのギャップに違和感を感じる。苑路の最終エリアだけに、もっと落ち着いた演出のほうが良いと思う。
竹筒でハート型をあしらう。竹照明は古典的な技法であるが、庭園との相性は抜群だと思う。他には偕楽園ライトアップの孟宗竹林(もうそうちくりん)での苑路を照らす技法も注目したい。
最後に茶房からの額縁庭園。ここからの額縁庭園は昼も夜も美しく、フィナーレを飾るには申し分のない空間である。いろいろ指摘もしたが、シーズンによってイルミネーションも変わっていくようで、再訪してみたいと思う庭園である。
○ | 庭園のライトアップイベントとしては、全国的にみても見応えある規模感である。特に和を感じさせるライティングのエリアは見事である。 |
× | 子供も愉しめるイルミネーションであるが故に、若干やり過ぎ感のあるライティングが気になってしまう。特に枯山水エリアのライティングは、もっと控えめにした方が美しいと思われる。 |