清水寺 本坊庭園
きよみずでら ほんぼうていえん
天台宗を開祖した最澄(さいちょう)が平安時代に開山したと伝わる清水寺。本坊庭園の作庭時期・作者は不明であるが、寺の歴史や作風などより室町時代後期に水墨家・雪舟によって作庭されたと推測されている。
室町時代を代表する水墨家にして、作庭家でもあった雪舟によって造られたと推測されている清水寺 本坊庭園。本坊の書院から眺める池泉観賞式庭園である。
かつては池泉の周りは植栽に覆われ中島の様子を確認できない状況であったが、現在は池泉の形状がよく分かるように整備されている。また、清水連山の愛宕山を上手く取り込んだ見事な借景だ。
池泉には2つの中島を設け、お寺の方に確認したところ手前が鶴島、奥が亀島とのこと。
まずは鶴島を焦点距離85mm(35mm換算)で撮影。鶴島は築山になっており両側に石橋を架けている。
鶴島の左手の石橋を焦点距離220mmの望遠撮影。橋添石は4ヶ所据え、橋に安定感を生み出している。
右手の石橋は3ヶ所に橋添石を置いており、こちらも美しい自然石による石橋となっている。石橋を確認するために、なお望遠鏡や望遠レンズが必要になる。
続いて亀島。こちらも築山になっており、右側に亀の頭に見立てた亀頭石と思われる石がある。
亀頭石を点距離300mmで撮影。こちらも見事な佇まいの石組だ。
本坊庭園は斜面を挟んで二段になっており、その段差を活かして庭園東部には滝石組を設けている。
滝石組を望遠撮影。
庭園西部は芝生から苔庭に変化して、いくつかの石組を配している。
最後に額縁庭園。コンパクな敷地ながらも品良く纏まっており、小振りな石橋も優美である。
○ | 一見シンプルな庭園。しかし雄大な借景、二段式庭園、額縁庭園により遠近感も生まれ変化に富んでいる。 |
× | 望遠レンズでないと確認にしくいところがあり、園内を回遊したくなる。 |