丈山苑
じょうざんえん
京都の詩仙堂や一休寺・酬恩庵をイメージして平成8年(1996)に開園した丈山苑。詩仙堂は安土桃山~江戸初期にかけての武将・石川丈山(いしがわ じょうざん)によって作庭しており、丈山の生まれは三河国泉郷(現在の安城市和泉町)である。
愛知県に京都で有名な詩仙堂をイメージして作られた庭園があることを聞いて年末に訪問。
書院から南庭を眺める。
白砂が敷かれ、白砂の奥には中国の山々に見立てたツツジの刈り込みがある唐様庭園である。唐様とは中国(唐)風庭園のことであり、詩仙堂を作庭した石川丈山が好んだ造りといわれる。
曲線を描く延段は、奥に逝くに従って意図的に幅が狭められ遠近感を強めている。ここが私が丈山苑で感動したポイントである。
北庭には枯山水による蓬莱庭園を作っている。こちらは京都の一休寺 酬恩庵をイメージしているとのこと。
一休寺の北庭をリスペクトして作庭していると思われるが、一休寺は石橋がないが、石橋の奥にある蓬莱石を中心とした枯滝石組が一休寺の北庭と類似するところだろうか。蓬莱とは不老不死の妙薬があるとされる中国の伝説上の蓬莱山のことである。そうすると石橋の手前にある2石は、蓬莱山へ向かう舟石とみてとることもできる。
東庭には池泉回遊式庭園が造られている。こちらは無料で散策できるゾーンとなっており、京都東本願寺の渉成園(しょうせいえん)をイメージしているとのことだが、かなり無理があるような気がする。。。
こちらも無料ゾーンの望京橋がある渓谷エリア。
再び丈山苑に戻って額縁庭園を撮影。
詩仙堂をイメージした南庭の東側には、このような苔庭があり流れも作っている。詩仙堂にも流れがあり、位置関係は異なるものの類似ポイントは多い。
○ | 愛知県にして京都で有名な詩仙堂と、京都で私がお薦めする庭園のひとつである一休寺 酬恩庵をイメージした庭園を一度に楽しめる。また遠近感を活用した延段も良い。 |
× | 特に見当たらない。 |