掬翠園
きくすいえん
掬翠園は明治末期から大正初期にかけて造園。松華園、村山晃南荘と並ぶ鹿沼の三名園と言われたなかで現存する唯一の庭園である。
鹿沼市には古峯神社に古峯園という広大な庭園があるが、こちらはコンパクトではあるが、歴史はこちらの方がある。
北関東では数少ない枯山水庭園。丸石を敷き詰め池泉に見立て、飛び石で苑路が敷かれ、池泉には岩島を据えている。
池泉より一段深く掘られた枯流れには、石橋が架けられている。
井戸の周りには同心円状に二重の石が並べられている。
露地門の先には、客人が主人の迎えを待つ腰掛待合がある。ということは、掬翠園は枯山水でもあり、露地(ろじ)でもある。露地:茶室に付随する茶庭。
枯流れは露地まで繋がっている。
右手には、有料の貸出施設となる茶室「観涛居(かんとうきょ)」があり、茶室からは枯流れの枯山水を望める。
枯流れは巨石による護岸石組で、渓谷のような迫力を感じさせる。
渓谷のような枯流れには、前半で紹介した石橋が架けられている。
切石と自然石をミックスした「寄せ石敷き」の延段。さらに説明すると、切石のみで構成された延段を「真」、自然石のみを「草」、ミックスしたのを「行」と表現する。これは書道の「楷書(真書)」「草書」「行書」に習うものであり、写真の延段は「行の延段」と言い表せる。
再び入り口に戻ってくる。ゆっくり散策しても5分とかからない小さな庭園である。
○ | 北関東では数少ない枯山水庭園を愉しめる。また、ここに車を停めて周辺の町散策することもでき、ちょっとした観光の拠点にできる。 |
× | 特に見当たらない。 |