南楽園は昭和60年(1985)に開園。4万6千坪と東京ドーム約3個分の広さであり、四国では栗林公園の4万9千坪に次ぐ。作庭家は伊藤邦衛(いとう くにえ)であり、徳川園(名古屋)や三景園(広島)などを手掛ける。
どこまでが敷地だろうか。広大な日本庭園にして全方向の借景が見事である。そう、これが立地を活かした南楽園最大の魅力である。園内は広大であり日陰が少ないため、夏以外の訪問をお薦めしたい。
借景との連続性が見事である。
朱色の橋は「美国橋」と呼ばれる。池泉は上池、下池で構成され、3つの巨大な中島を配している。
巨大な庭園は単調になりがちであるが、曲線を多様することで眺める場所による景観の変化が大きくなるように工夫をしている。ただ、それでもボート乗り場付近のエリアは間延びした感じとなる。なお、本格的な池泉庭園で貸しボートは、池泉舟遊式庭園を楽しめるということだ。全国的にも栗林公園などに限られおり貴重な体験ができるものだ。
ボート乗り場付近から望遠レンズで護岸石組を眺めると、護岸石組と刈り込みの融合が見どころである。
紅葉滝は、やや大味な滝石組だ。
紅葉滝から下流を眺める。大きな沢飛石で滝石組にアプローチできるようになっている。
洲浜、池泉、中島、借景と続く。
先ほどの撮影地点を対岸から撮影。中島の細長く伸びバランス良く石を組んでいるため、写真撮影するとバランス良くみえる。
刈込みで覆われた中島。中島のメンテナンスは舟で渡ることになるが、そのような中島がここまで手入れされていることに脱帽。
海の家からの額縁庭園。
南楽園の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 中島の曲線美により景観の変化を付けられ、特に360度全方向の借景との連続性があり見事である。 |
× | 景観に変化を付ける工夫がみられるが、敷地が広大であるため間延びする区間がある。 |