博多商人・下澤善右衛門親正(しもざわ ぜんえもん ちかまさ)が明治39年(1906)に造った別荘。のちに自分の雅号「楽水」にちなんで「楽水庵」として茶を楽しむ。戦後は旅館「楽水荘」となり、平成7年(1995)に福岡市が池泉回遊式の日本庭園として整備して「楽水園」として開園。(雅号:文人や画家などが、本名の他につける風流な別名)
JR博多駅西口から徒歩8分という好立地にある日本庭園。紅葉時期の週末だけあり、20人ぐらい散策している。
滝の分類は、複数の石を配置し滝の高さに応じて二重にも三重にもして落とす「重ね落ち」である。
パンフレットには「池泉式回遊式 日本庭園」と記載されているが、規模は小さく2分でぐるっと一週できてしまう。正直「池泉式回遊式」を期待して訪問するとガッカリするだろう。しかし、茶室に向かうと・・・
どうでしょう、「わびさび」を感じられませんか?こちらは萩の間からみた露地(茶庭)です。茶庭であるため、先ほどの池泉回遊式庭園より、さらに狭い空間ですが見応えあります。
椿の間(左)と菖蒲の間(右)を望む。そう額縁庭園が撮影できる間が3間あります。ここで抹茶を頂けますが、取材時は受付で「ご自由に茶室もお上がり下さい」と案内しておりました。また、茶室は事前予約で貸し切り可能のため、日によってはこの空間を拝見できないことがありそうです。ご注意を
露地を縦に撮影。迫力でますよね。ちなみに、飛び石と短冊敷きの境に石が置いてあるのが分かりますか? 立ち入り禁止を示すサインと思われますが、景観を乱すことなく意図を伝える素晴らしいデザインと感じました。
比較的広めの土縁が設けられている。(土縁:土足の縁側空間で、雪国などでよく見られる)
水琴窟を楽しめる。苔がいい塩梅だ。
苔と飛石のバランスにうっとり。
楽水園の案内図。パンフレットより引用。
○ | コンパクトながら風流な露地であり、3つの間から額縁庭園を楽しめる。JR博多駅から徒歩圏であるのも嬉しい。 |
× | 池泉庭園として訪れると見応えなくガッカリする。また、茶室が全て貸し切りの日に訪れると残念すぎるので事前確認が必要。 |