龍雲寺は鎌倉時代(1330年代)に創建した臨済宗妙心寺派の寺院である。平成25年(2013)に建仁寺の「潮音庭」などを手掛けた北山安夫(きたやま やすお)氏によって作庭された枯山水と池泉観賞式庭園がある。
一番大きな石は「阿弥陀如来」であり、左右の立石と合わせて三尊石となる。さらに周りの石で、阿弥陀如来の弟子達の中で主要な10人の弟子の「十大弟子」を表し、全部で11個の石で構成されている。
三尊石を配した野筋は極楽浄土を表し、手前は白砂、奥は砂利で関係者用の通路を兼ねているが、連続性を持たせることで美しさを保っている。まさに「用と景」である。野筋:低い築山
極楽浄土の前には亀島を造っており、大海を泳ぐ亀が極楽浄土へ向かっている様子である。
こちらは大海に龍が泳いでいる様子に見立てている。
一方、庭園入口付近から撮影すると、先ほどのような連続性は感じとれず、ゴツゴツした龍の背中のようにも見える。見る角度によって、感じとれるものが異なるのも庭園がもつ魅力のひとつだ。
本堂に入り参拝後、池泉回遊式庭園「清浄庭」を観賞。
「無位の滝」と名付けられた滝石組は高低差15mと、4階建てビルぐらいの高さがある豪快な石組である。おそらく、ここを切り開いた山石が「無量寿庭」の枯山水でも使われているのだろう。
斜めから眺めると何段にも落とされ、上段は2つの滝で構成されている。園内を散策している記事もあったので、もしかしたら滝上部へ向かうこともできたのであろうか。
細長い空間に石を一列に並べる意匠。
本寺院は観光寺院ではないが、写真撮影OKでSNS投稿も呼びかけている。そのため「光の納骨堂」も撮影できる。
般若心経と同じ字数の266区画からなる光の納骨堂は、33年間こちらに納骨され、その後は永代供養塔に埋葬される。こんなお洒落で明るい納骨堂は良いですね。
最後に徒歩3分のところにある山頂展望台からは、佐鳴湖を眺められる。
○ | 近代的な枯山水と、豪快な滝石組の池泉庭園を観賞できる。光の納骨堂や山頂展望台など、楽しめる要素が多い。 |
× | 特に見当たらない。 |