願成寺の白水阿弥陀堂は福島県唯一の国宝建造物。白水阿弥陀堂は1160年に作られ、庭園も同時期となる平安末期に作庭され浄土式庭園の代表格でもある。白水阿弥陀堂は願成寺(がんじょうじ)が所有しており、それ以外の庭園と池泉はいわき市の所有、管理となる。
白水阿弥陀堂は浄土式庭園の代表格のひとつ。三連休の中日朝イチでは、まだ人もまばらだったが、1時間もすると観光バスが到着。
借景の美しい浄土式庭園。白水阿弥陀堂の中島は有料エリアであるが、池を取り囲む散策路は無料で常時開放されている。開門前に訪れて、池越しに中島を観賞できれば時間の有効活用ができつつ、静寂ななかでの散策を楽しめる。
ここからは有料エリアの中島へ進み撮影していく。観光客の多くは国宝「白水阿弥陀堂」の阿弥陀三尊像や天王像を拝み帰っていくが、それだけではもったない。特に池泉の水を美しく魅せる技法である「洲浜(すはま)」に注目してほしい。
池底に大粒の石を敷き、池汀(ちてい)や岬は石を細かくしている。岬の先には力強い立石による岩島などを配している。
再び、無料エリアの散策路から先ほどの洲浜を望遠レンズで撮影すると、このような美しい洲浜が描かれている。
国宝「白水阿弥陀堂」と大銀杏。
西池に面した洲浜もまた美しい。
無料エリアから西池を撮影。中島は洲浜で囲まれている。
最後に平橋を撮影。1時間30分ほどじっくりと浄土式庭園を観賞。浄土式庭園は、一般的な観光庭園と異なり景観を楽しめる要素が少ないが、白水阿弥陀堂庭園は洲浜が美しく、望遠レンズやスマホの望遠で洲浜の曲線美を撮影してみてほしい。
○ | 庭園景観としては単調になりがちな浄土式庭園でありながら、洲浜の曲線美が美しく見応えがある。 |
× | 庭園南側を眺めると、工場のクレーンが顔を覗かせてしまう。 |