松浜軒
しょうひんけん
八代城主の松井家3代目・松井直之(おゆき)が江戸初期(1688)に建築した御茶屋で、昭和天皇・皇后両陛下も宿泊された。平成14年(2002)に国指定名勝の登録を受ける。
通称「花のお茶屋」と呼ばれる松浜軒は池泉回遊式庭園であり、建築当時は阿蘇山などを借景としていた。
本庭園で注目したいのが沓脱石から飛石、沢飛石と続き中島へ繋がる意匠である。沢飛石は力強く景観を引き締めている。
中島は芝庭になっているが、栗石を敷き詰めた洲浜を造っている。洲浜とは水際を美しく魅せる技法であるが、このような面積を覆っている意匠は京都府木津川市に残る平安時代を代表する庭園「浄瑠璃寺庭園」に似ている。
中島は二島になっており石橋で繋がっている。こちらが東側にある中島となる。
正面から撮影すると、このようになっている。解説には「桂離宮天橋立の景色に似た造形など」とあるが、それがこちらのことであろう。桂離宮の記事にある天橋立に摸した中島をみると、似ているとされる要素が確かにある。
1000坪の苑路をぐるっと巡ってみる。写真右手には築山があり、その麓に苑路が造られている。
切石の一本橋は刈込みに挟まれた意匠であり、他に霊を見ないユニークなものだ。
再び沢飛石へ戻ってくる。6月には花菖蒲が咲き乱れ色鮮やかな庭園となるが、このような時期でも中島の景観を損なわないようになっているのが嬉しいところだ。
松浜軒の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 書院から飛石で繋がる中島、洲浜の様子が見事な景観である。 |
× | 特に見当たらない。 |