文化のみち橦木館(旧井元爲三郎邸)
ぶんかのみちしゅもくかん(きゅういもとためさぶろうてい)
名古屋の輸出陶磁器商での第一人者である井元 爲三郎(いもと ためさぶろう)が大正時代(1926)に建てた邸宅。平成8年(1996)より市民団体が借り上げ「撞木館」と名付けられ文化施設として活用。その後、名古屋市によって取得され、平成21年(2009)より一般公開される。
名古屋の高級住宅地でもある橦木町(しゅもくちょう)に残された名家の屋敷。2階から庭園と、三層構造になった屋根を眺める。沓脱石は三重県の菰野産である。
旧井元爲三郎邸は、庭と建物は一つの如しといわれる 庭屋一如(ていおくいちにょ)の屋敷であり、名古屋は茶の湯の文化が浸透しており、茶室を持つこのような屋敷がかつては点在していた。
本茶室は江戸末期に京都で作られたものを、井元爲三郎が還暦となった頃(昭和)に移築したもの。
茶室
公式サイトによると、かつては茶室の奥から川が流れており、池泉庭園になっていたとのこと。
先ほどの場所から、手水鉢まで水流があったということだろう。この辺りの飛石の意匠や、手水鉢の石の組み合わせなど大胆かつ斬新なもので非凡を感じる。
こちらは蹲踞(つくばい)となっており、手水鉢と3つの役石があるのが分かる。蹲踞については、国指定名勝「清水園(新潟県新発田市)」の記事を参考にして欲しい。
三層構造の屋根をもつ主屋。
洋館。1階は応接室となっておりカフェとなっており、スリランカで栽培される最高級セイロンティーブランド「MLESNA TEA(ムレスナティー)」の紅茶などが頂ける。カフェのみの利用の場合は入館料は不要となっている。
最後に額縁庭園を撮影して旧井元爲三郎邸をあとにする。
旧井元爲三郎邸の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 茶室と主屋を繋ぐ導線に流れの意匠が見事である。 |
× | 特に見当たらない。 |