邃渓園(柴又帝釈天)
すいけいえん(しばまたたいしゃくてん)
「柴又帝釈天」は、正式名称は題経寺の通称。江戸初期に開創された日蓮宗の寺院である。邃渓園は昭和40年(1965)に向島の庭師・永井楽山により作庭。
都内有数の観光名所・柴又帝釈天だけあり、有料施設の邃渓園にも多くの観光客が参拝している。当初は大客殿の広縁から庭園を眺めるスタイルであったが、昭和59年(1984)に回廊が設けられ視点を変えながら庭園を観賞できるようになった。
6月ということもあって、着物姿の淑女が多くみられる。ただ、ビニールに靴を入れて持ち歩くスタイルの拝観は、個人的にはちょっと好かない。
庭園内は立ち入りできないが、屋根のある渡り廊下をぐるっと巡ることができる。
Z字型に続く渡り廊下。ここから100m区間が邃渓園のハイライトだろう。
巨石に松の支柱が乗せられている。
池泉にはおきまりの鯉が泳いでおり、石には亀が休憩している。
地泉越しに大客殿を望む。池泉には平石橋が架けられ、護岸には石が敷き詰められている。
ひときわ細く切り立った石に出会う。三尊石かと思ったが、2組しかないので違いますね。
切石にくぼみを掘り水を流す手水鉢。どういう訳か日本酒が置かれている・・・ この先の猿の石像にもカップ酒が置かれていることから、イタズラではなく意図的だろう。
大客殿の物見台に戻って休憩。こちらでは冷茶や温茶のセルフサービスがあって嬉しい。
ちなみに邃渓園のチケットは、彫刻ギャラリーと共通券になっている。実は柴又帝釈天は「彫刻の寺」と言われるほど、この彫刻ギャラリーが有名で、確かに邃渓園より彫刻ギャラリーのほうが感動的だった。
このように4面が緻密にして立体的に掘られており、彫刻の寺といわるだけのことはある。
日本庭園と彫刻の両方を楽しめる柴又帝釈天。満喫しました!
○ | 共通チケットで入館できる彫刻ギャラリーが感動的。邃渓園で冷茶などのセルフサービルは有り難い。 |
× | 池泉庭園としては見せ場が少なく、またビニールに靴を入れて持ち歩くスタイルは少々興ざめ。 |