塩尻短歌館 集いの庭
しおじりたんかかん つどいのにわ
短歌の文学館である塩尻短歌館は平成4年(1992)に開業。母家は柳沢家から寄贈された塩尻市独特の本棟造り(ほんむねづくり)の建物である。敷地内の枯山水は平成5年(1993)に岡谷市出身の作庭家・小口基實(おぐち もとみ)によって作庭された。
集いの庭(集石庭)と名付けられた平庭式枯山水。歌人を石に見立て、石を取り巻くような渦巻式石組は室町時代の手法とされる。渦巻式石組では、甲府市の青松院が挙げられる。
青松院での渦巻式石組は須弥山石組となっているが、こちらは歌人達が渦潮い集まる姿に見立てたものだ。よく似た意匠としては、山口県周南市の漢陽寺の「地蔵遊化の庭(じぞうゆうげのにわ)」と見比べて欲しい。重森三玲の作品などが集まる庭園で、庭園ファンであれば一度は訪れたい寺院である。
竹垣は「吹寄龍安寺垣(吹寄竜安寺垣)」と呼ばれ、特別名勝の龍安寺の生垣の創作形である。
中庭に造られた石庭を目当てで訪問する方は皆無と思われる短歌館。岡谷市出身の作庭家・小口基實(おぐち もとみ)によって作庭された庭園は、長野県には複数あり巡ってみたい。
○ | 歌人を石に見立て、渦潮に集まる姿を表現したユニークな石庭である。 |
× | 特に見当たらない。 |