哲学堂公園
てつがくどうこうえん
哲学堂公園は東洋大学の設立者である井上円了が明治後期に造成した「哲学のテーマパーク」。昭和19年(1944)に東京都に寄贈され、昭和21年(1946)に都立公園として開園。令和2年(2020)には国の指定名勝に登録されてた。
哲学堂公園の中心となる時空岡。赤い塔は「六賢台」と呼ばれ、東洋の6人の賢人が祀られている。普段は内部見学できないが、10月の「秋の古建築物内部公開」に特別公開される。
哲学堂公園は当初、鶴亀蓬莱庭園を作庭する構想があったが、第二次世界大戦の機運が高まったことで断念。現在は菖蒲池となっている。
岩島は亀島にもみえなくないが、亀島を意図したものではない。
ほぼ直線状に岩島が整列している様子は、夜のうちに船溜まりに停泊している姿を抽象的に表現した夜泊石を思い起こさせる。夜泊石については、宗隣寺 龍心庭(山口県宇部市)の記事を参考にしてほしい。
唯心庭(ゆいしんてい)。こちらは哲学の基本となる「心が最も大切とする考え方、つまり唯心論」をテーマにしている。写真中央の石橋は「概念橋(がいねんきょう)」と呼ばれ、理性(島)に達する道のりには概念(橋)が存在するとして、「概念橋」と名付けられている。
「留まる水」を中心とした面的な空間は心字池となっている。かつては「心」の形をしていたが、現在では崩れて当時の形ではなくなっている。
小さな滝石組。
○ | 哲学のテーマパークにしたなかに設けられた庭園というのは、他に例がなく希有なものである。 |
× | 特に見当たらない。 |