西脇邸
にしわきてい
西脇邸は江戸初期に小千谷に来住したと伝わる豪商。西脇家が中心となって西脇銀行が設立され、その後小千谷銀行、昭和5年には第四銀行に合併され、西脇清一郎は副頭取に就任する。母屋は江戸初期(1770年)、離れ座敷は大正時代(1918)に建築され、秋の数日間のみ建物内部が特別公開される。
日本庭園のある「錦鯉の里」から徒歩3分ほどの場所にある西脇邸。二階建ての離れ座敷と庭園が融合しており、役所広司や松たか子が出演する2022年の映画「峠 最後のサムライ」のロケ地にもなった。
西脇家の妻は京都から嫁いだということもあり、庭園は京都の庭をイメージして造られたとのこと。
庭石は佐渡から運ばれたものが多く、佐渡金山で使用していた石臼(写真中央手前)、赤石などがある。護岸石組周辺の草木が伸びているのが気になるところだ。
猛暑が続く年の真夏に訪問したが、高い樹木により日陰となる領域は苔が茶色にならず深緑のままである。
こちらは茶室跡から撮影したもので、右手の長方形に石で囲まれた場所は腰掛待合であり、主人の迎えを待つ場所であった。そして、その左には蹲踞(つくばい)を設け、露地の名残を残している。
邸宅は秋の建物内部限定特別公開時のみは見学できないが、建物がよく見えるように障子などを開けている配慮が嬉しい。
離れ座敷の北側にも庭園があり、こちらの石灯籠は3つの脚があるが、中越地震の影響だろうか、1脚が無くなっており、石で支えられている。そして石段を登った先には蹲踞(つくばい)がある。
立石は多くの窪みのあるもので、裏庭の主石のような存在感だ。
軒下から手を伸ばして撮影。
○ | 二階建ての離れ座敷に重厚感があり、庭園の風格を引き上げてくれる。 |
× | 視点場は池泉南部だと思われるが、護岸石組周辺の草木が伸びており池泉の存在が弱まっている。 |