葉山しおさい公園は、昭和62年(1987)に葉山御用邸付属邸跡地に開設された公園。ちなみに、アメリカの雑誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」で庭園のランキングを発表している「しおさいプロジェクト」とは、本プロジェクトの創始者ダグラス・ロスが10年間澄んでいた葉山にある日本庭園「葉山しおさい公園」が、大正天皇崩御・昭和天皇皇位継承の地であるにもかかわらずメディアでほとんど紹介されていないことから、隠れた名園を発掘するプロジェクトとして公園の名前から「しおさい」を取ったとのこと。
葉山に知られざる本格的な日本庭園がある。このエリアでは珍しく無料駐車場を完備しており、ドライブ途中のお立ち寄りスポットとして使える井だろう。園内には博物館と日本庭園があり、日本庭園は東西に伸びる池に苑路が作られた池泉回遊式庭園となっている。
池泉には巨石により組まれた中島があり、その手前には舟石らしき岩島がみえる。
視点を変えて眺める。先ほどの左の岩島を舟石とすると、中島は蓬莱山であろうか。蓬莱山とは不老不死の仙人が住む山とされ、不老不死の薬があるされる。その薬を取りに来たの舟が近くに作られることが多い。また、滋賀県米原市の青岸寺のように、蓬莱山は長寿のシンボルである亀島と鶴島を兼ねた鶴亀島とも見立てることもできる。とすると、この池泉庭園は蓬莱式庭園ともいえる。
池泉南部は大きめの玉石で州浜(すはま)が作られている。州浜: 池泉の水を美しく魅せる技法
一景庵の傍には、客人が主人の迎えを待つ腰掛待合がある。
池泉西部を眺める。護岸石組は作られていない。
先ほどの池泉を視点を変えて撮影。
噴井の滝(ふけいのたき)を望む。落差3mの滝は、横に広がりながら水が落下する「布落ち」と、石面を伝うように水が落ちる「伝い落ち」と記載されているが、重ね落ちの滝のようにもみえる。
水流を二分している石は鯉魚石(りぎょせき)のようにもみえる。鯉魚石とは鯉が滝を登る様子を表現した石であり、詳しくは鹿苑寺庭園(金閣寺)を参考にして欲しい。
博物館の休憩室からは、エアコンの効いた快適な環境で三ヶ岡山を借景とした庭園を眺められる。
○ | 中島と舟石が力強く蓬莱庭園を感じさせる。 |
× | 滝以外の解説がまったくなく、理解しにくい。 |