鶴川香山園は室町時代(1544)に建築された主屋「瑞香殿(ずいこうでん)」が元となっている。平成8年より平成27年まで美術館として運営されており、その後は町田市が買い取った。明治39年(1906)に再建された瑞香殿を修繕して、2025年に鶴川香山園として無料公開された。池泉庭園は「瑞香殿庭園」と呼ばれ、江戸時代(1689)に作庭され、昭和29~39年に作り替えられている。昭和の作庭は「雑木の庭」の創始者として知られる飯田十基の弟子と言われている。
江戸時代に作庭され、昭和に作り替えられた池泉回遊式庭園が令和になって再整備され、令和7年(2025)に町田市によって無料で再公開された。公開当初の混雑を避けて2ヶ月後ぐらいの週末の10時前に訪問したところ、ほぼ貸し切り状態で鑑賞できた。なお10時を過ぎると見学者が増えてきた。左奥にみえるのが書院造りの瑞香殿(ずいこうでん)である。
出島に切石による石橋を架け、奥には滝石組がみえる。なお現在の池泉回遊式庭園は 樹木を密集しつつ高木、低木などを立体的に形成する「雑木の庭」の創設者と知られる飯田十基(じゅうき)の弟子と言われているが、飯田十基の庭園としては、都内では等々力渓谷 日本庭園が挙げられる。
中島は洲浜で構成されているのが珍しい。また庭園の東側南面部分が江戸時代から、そのまま保存されており、その後、一部改修されて池泉回遊式庭園になっている。(香山園 庭園&美術館のパンフレットより引用)
滝石組は上段と下段に分かれており、何段にも落とされた多段式である。
滝石組に近づいて、上段と下段の滝を撮影。
上段の滝。滝水が流れ落ちる水落石を左右に交互におくことで美しい水の流れを表現している。ちなみにシャッター速度は1/10秒で、手ぶれ補正レンズを利用した手持ち撮影。(SONY α7 Ⅳ+SONY FE 24-105mm F4)
下段の滝。滝壺の先には水を左右に分ける水分石を置いている。
滝石組付近から池泉を撮影。
庭園西部には枯山水がある。こちらは風合いからして近年作庭されたものだろう。
写真中央の立石は遠山石(えんざんせき)だろうか。遠山石とは遠山を抽象的に表現したもので、滝に奥行き感を与えている。
枯山水と池泉回遊式庭園を融合させた意匠が見事である。枯池から池泉、そして築山によりその境界線を違和感ないものとしている。
2025年1月25日の開園に併せてオープンしたレストラン「桜梅桃李」。瑞香殿でランチ、喫茶、ディナーを頂ける。夜は22時まで営業している。いつか庭園オフ会で利用してみよう。
鶴川香山園の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 池泉回遊式庭園と枯山水が見事に融合している。また滝石組も見事でありコンパクトな割には見応えがある。 |
× | 特に見当たらない。 |