足立区の区制50周年を記念して、昭和59年(1984)に開園した花畑記念庭園。
東京都と埼玉県の境にある花畑記念庭園は、昭和末期に造れらた池泉回遊式庭園である。昭和に造られた都内の庭園としては大規模で、見応えある庭園だろう。大きめの栗石を敷いた洲浜に岬灯籠を置き、池泉を挟んで三段落としの滝石組が控える。本庭園で一番美しい景だと感じた。
池泉にはいくつもの岩島を配し、雪見灯篭の手前には亀島がある。亀島は後ほど紹介。
四阿(あずまや)から沢飛石と三段落としの滝石組を望む。滝の流れを美しく撮影するために、1/10秒のスローシャッタで撮影している。通常スローシャッターで撮影する際にはNDフィルタや三脚を利用するが、ISO64の低感度にして手持ち撮影している。Webサイトに掲載するレベルであれば、このような撮影でも通用する。
沢飛石と上の橋。
亀島を望む。左の巨石が亀の頭となる亀頭石となる。奥には2階建ての桜花亭があるが、庭園と調和しておらず残念なところだ。2階のバルコニーから庭園を眺めてみたいが、貸し部屋になっているため利用できなかった。
亀島の亀頭石を正面にして撮影。
四阿から大滝と洲浜を望む。そして注目したいのがコンクリートの床である。
小石を一つ、二つ、三つとちりばめるように埋め込んだ「一二三石(ひふみいし)」の意匠がみられる。一二三石は、京都の修学院離宮の隣雲亭(りんうんてい)が有名である。さすがに修学院離宮の「一二三石」は格段に美しい。
護岸石組と洲浜を望む。それほど広さを感じない庭園であるが、池泉の形状が複雑であるが故に、視点場によって景観が大きく変わっていき、池泉回遊式庭園の魅力を存分に楽しめる。
芝山から続く洲浜を望む。
芝山越しに大滝を望む。
花畑記念庭園の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 洲浜、沢渡石、大滝を望む景観が美しく、視点場によって景観の変化が豊かである。また無料スポットではあるが、小学生のみでの入園を不可としているため、比較的落ち着いた環境を保っている。 |
× | 2階建ての桜花亭の存在が大きく、全体の景観を損ねている。 |