住吉神社は平安時代(1081)に公卿(くぎょう)の大江 匡房(おおえ の まさふさ)によって創建された。書院の表と裏に重森三玲によって昭和41年(1966)に作庭された枯山水がある。2019年に市民主体による修復事業が行われ、2020年に兵庫県指定名勝を受ける。
重森三玲の作品は書院の表と裏にあり、裏庭となる「住之江の庭」は一般公開されることが実に少ない。観光協会に伺うと、「丹波篠山ひなまつり」の期間と、7月に催される「水無月祭」の期間ぐらいであるが、コロナ禍期間は開催されていないとのこと。なお神社は市が管理しており、神職や職員など現地には誰も居ない。
ただ塀は一部低くなっているため、ここから眺められるとのことで撮影。脚立や一脚などを使いながらなんとか撮影。徳島産の青石をふんだんつかい、不老不死の妙薬がるとされる蓬莱島を見立て、その妙薬を取りに向かう宝船が向かう様子を描いている。古庭園の代表的なストーリーといえよう。
表庭も重森三玲の作品であり、役所のサイトでは「七五三的な配石と植栽がよく調和している」と表現している。
実際には七五三組の石組ではなかったが、石組は力強く立てられ古典的な良質な枯山水である。苔の状態も良く、きちんと管理されていることが伺える。
先ほどの三尊石を別角度から撮影すると、中尊石がやや手前に傾斜しているのが分かる。
天を突くような鋭い立石と横石による2石組。
○ | 砂紋と波形曲線のモルタルで小波と大波を表現した海の枯山水。その借景に丹波篠山の山並みが控える構図が面白い。 |
× | 住之江の庭を正面から見学できる機会が極端に少なく、遠方からの見学は基本塀越しになってしまい本来の美しさを楽しめない。 |