「昭和天皇御在位五十年記念事業」の一環として、昭和54年(1979)に完成した国営公園。日本庭園は作庭家・榊原八朗によって平成9年(1997)に完成。紅葉シーズンにはライトアップイベントも行われる。
東京ドーム39個分という広大な敷地面積を持つ昭和記念公園。西立川駅から日本庭園まで徒歩15分ほどかかる。ちなみに、作庭家の榊原八朗の本記事執筆時に初めて知ったが、平塚市総合公園 日本庭園も同氏による作品であった。
日本庭園には3箇所の四阿(あずまや)があり、こちらは昌陽(しょうよう)。その側には亀の形をした島がある。
別角度から眺めると亀であることが分かる。つまり亀島だ。亀島があれば、鶴島を探すが見つからない。執筆時に調べると、亀島に植樹された松を鶴に見立てた鶴亀島であることが判明。松を鶴に見立てることは、日本庭園では一般的であり、またこのような鶴亀島は徳川園(名古屋)でも見られる。
昌陽(しょうよう)四阿からの額縁庭園に鶴亀島を映し出す。
昌陽(しょうよう)四阿からの額縁庭園。左に清掃用と思われる木船があるが、木船に乗って池泉舟遊式庭園を味わってみたいものだ。
池泉に繋がる幅広の流れには、沢飛石を打っており、大小多くの石を並べており風流だ。そして写真左手には清池軒(せいちけん)がある。
流れの上流を撮影。
右手に清池軒を眺めつつ、広い池泉を望む。
池に突き出して建てられた清池軒。額縁庭園を撮影すると、まるで池に浮かんでいるようにみえるのが面白い。取材当日は偶然にも無料開放日だったため、多くの人で賑わっており、このような1枚を撮影するのは大変だった。
滝を眺める涼暮亭(りょうぼてい)。
涼暮亭(りょうぼてい)の近くには滝が作られており、池泉へと導かれる。
日本庭園には盆栽苑があり、盆栽の展示だけではなく、盆栽を学べる学習ゾーンなどもある。
縁に沿って渡る磯渡り形式の沢飛石。同様の形式は清澄庭園 (東京都江東区)でみられる。
日本庭園の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 清池軒に隣接した池泉に注ぎ込まれる流れの意匠が美しい。また亀島に鶴を模した松を植樹した鶴亀島も見逃せない。 |
× | 敷地が広大であるため、間延びした空間が目立つ。 |