明治11年(1878)に第3代、第9代総理大臣を務めた・山縣有朋(やまがた ありとも)が、自分の屋敷として「椿山荘」と命名し、故郷である萩をイメージして作庭を行う。大正7年(1918)に阪神財閥のひとつ藤田財閥が別邸として譲り受け、昭和27年に結婚式場として開業。平成4年(1992)にフォーシーズンズホテル椿山荘東京として開業。平成25年(2014)にフォーシーズンズホテルズ&リゾーツ社との業務提携契約の終了により「ホテル椿山荘東京」となる。
都内でもラグジュアリーホテルとし名高い椿山荘。取材時はホテルの庭園は宿泊者以外でも無料で散策できましたが、2024年に電話確認したところ、宿泊者、レストラン利用者、ショップ利用者のみ庭園見学ができるとのことです。まずは庭園で、最も目を惹くのがチャペル・ルミエール横にある滝。三段滝と岩で幾重にも分岐する「重ね落ちの滝」が組み合わさり美しい。ちなみに、この滝には秘密があり、それは・・・
滝の裏側に回り込めるのです!
このスペースは「滝のトンネル」と呼ばれています。結構、見落とす人が多いポイントですのでお忘れ無く。
取材時は4月だったため、幽翠池(ゆうすいいけ)に桜が彩りを添えている。また6月になるとホタルも見られる。
スカイテラスから三重塔「圓通閣(えんつうかく)」を眺める。結構、起伏に富んだ地形であることが分かる。ちなみに、この庭園は元総理大臣・山縣有朋(やまがた ありとも)の指示により造られた庭園であり、京都の無鄰菴(むりんあん)、小田原の古稀庵(こきあん)とあわせて、山縣三名園と呼ばれている。
三重塔「圓通閣」と桜。三重塔は広島県の竹林寺に創建されたものを起源とされ、国登録の有形文化財に指定されている。
三重塔「圓通閣」は、夜にはライトアップされる。遊歩道もライティングされるので、夜散歩も見逃せない。
三重塔「圓通閣」近くにある丸形大水鉢。こちらで手を清めよう。
柵で囲まれたなにやら貴重そうな石灯籠。これは、江戸時代の茶人や造園家の間で「名物の灯籠」と呼ばれた鎌倉時代後期の逸品。「般若寺式石灯籠」と名付けられ、奈良市の般若寺に実在する石灯籠が原型とされていた。ところがどっこい、その後の調査で、こちらの石灯籠が原型で、般若寺のものは江戸時代初期御の模索であることが判明。え~
幽翠池を眺める妻。今日は椿山荘で3ヶ所目の庭園となり、ちょっとお疲れモード。
椿山荘案内図。公式サイトから引用。 [ 案内図を拡大する ]
○ | 全国的にも珍しい滝トンネルが面白い。夜は散策道がライトアップされ夜も楽しめる。 |
× | 三重塔や般若寺式石灯籠など歴史的建造物はあるが、日本庭園としての見どころは少ない。 |