昭和8年(1933)にオープンした京都市美術館。令和2年(2020年)にリニューアルオープンして、命名権により「京都市京セラ美術館」となる。屋外に常時開放された庭園は、無鄰菴などを作庭した小川治兵衛(おがわ じへえ)によって明治42年(1909)に作庭された。なお「硝子の茶室」はリニューアル時に造られたものである。
京都市京セラ美術館としてリニューアルしたときに造られた「硝子の茶室 聞鳥庵(モンドリアン)」。こちらは写真家・杉本博司によるもので、ヴェネツィアやヴェルサイユ宮殿で展示され、日本に初めてお目見えした。2021年1月末までの期間限定のパブリックアートである。
モンドリアンとはオランダ出身の画家であり、幾何学模様の作品が有名である。千利休によって造られた国宝・茶室「待庵」(京都府大山崎町)の壁面構成と庭石の配置に幾何学模様的な抽象をすでに試みている見立てに、「鳥の声を聞く」という語呂合わせが重ね「聞鳥庵(モンドリアン)」と名付けている。難しい。。。
庭園に芝生を初めて用いた植木職人7代目・小川治兵衛(おがわ じへえ)によって作庭されていることもあり、本庭園にも芝庭が用いられている。ちなみに小川治兵衛は通称「植治」とも呼ばれ、明治の総理大臣であった山縣有朋(やまがたありとも)によって才能を引き出されたといわれる。
切石橋には3ヶ所に橋添石を据えることで、橋に安定感を生み出している。
護岸石組には江戸中期以降は丸みを帯びた石が使われることが多いなか、明治時代としては珍しく角張った力強い石で組んでいる。
○ | 期間限定で見学できる「硝子の茶室」が浮かぶ池泉庭園が面白い。 |
× | 古庭園としては特徴があまりない。 |