世界2,800ヶ所以上の夜景を巡った男が庭園を巡る
特別名勝

識名園

しきなえん
美しさ ★★
静寂さ ★★
沖縄県那覇市
  • 識名園 入口

    日本庭園のなかに中国庭園の要素を含む特別名勝庭園

    池泉庭園 / 特別名勝
    庭園面積 6,000坪 (超大規模)
    室内からも庭園を眺められる
    作庭時期 不明 ~飛鳥 奈良 平安 鎌倉 室町 安土桃山 江戸 明治 大正 昭和 平成 令和

識名園の由来

識名園は明治5年目まで約450年存在した琉球王国最大の別邸であり、第15代国王・尚温王の即位式にあたって中国から訪れた正使をもてなすため1799年(江戸時代)に建築された。昭和16年に国指定名勝を受けるが、第二次世界大戦で破壊される。その後再建され、平成12年に国指定特別名勝、および世界遺産に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として登録された。






  • 識名園全景

    沖縄が明治12年まで琉球王国であったことより、庭園も日本庭園と中国庭園が組み合わさったような造形をみせてくれる。池泉回遊式庭園の池泉は湧水で作られている。

  • 御殿(ウドゥン)

    赤瓦屋根の御殿(ウドゥン)は五棟で構成され、琉球王国独特の建築美である。この辺りは護岸石組でなく草護岸だ。

  • 御殿(ウドゥン)から六角堂を望む

    御殿(ウドゥン)から六角堂を望む。

  • 拱橋

    中島は拱橋(きょうきょう)、いわゆるアーチ状の橋を架け中島から対岸に向かって直線状の長堤が伸びている。この堤(つつみ)は中国の美しい湖で知られる西湖を想わせる。日本では旧芝離宮恩賜庭園(東京)、小石川後楽園(東京)、養翠園(和歌山市)などでみられる。

  • 額縁庭園

    裏座二番、松ノ座、二番座の3つの座越しの額縁庭園。

  • 舟揚場

    池泉西部の舟揚場。第15代国王・尚温王の即位式にあたって中国から訪れた正使は、首里城の南にある「龍潭池(りゅうたんい)」で舟遊をした記録が残っている。こちらの池泉では舟から庭園を眺めたのだろうか。もしくは整備用の舟だろうか。

  • 拱橋

    中島に架かる拱橋(きょうきょう)は左右で材質が異なる。右は切石による整然とした石橋であり、左は自然石によるくだけた石橋だ。

  • 拱橋と御殿

    自然石によるくだけた石橋は琉球石灰岩によるものだ。琉球石灰岩とは中国でよく見られる太湖石(たいこせき)の仲間であり、岩肌に無数の穴がある。太湖石を多用した庭園は中国の蘇州の庭園記事を参考にして欲しい。

  • 六角堂

    池泉に浮かぶ中島に作られた六角形の東屋が「六角堂」であり、屋根の形や瓦に中国的な趣を感じさせてくれる。また六角堂に繋がる石橋はひとつの石を切り出して造ったものである。

  • 琉球石灰岩

    六角堂に置かれた琉球石灰岩。中国四名園の首位に君臨する拙政園(せっせいえん)にある太湖石と比べると類似していることがよく分かる。

  • 芝護岸の出島

    芝護岸の出島につくられた芝で覆われた野筋にも琉球石灰岩による石組がみられる。

  • 琉球石灰岩による石橋

    琉球石灰岩による石橋。

  • 護岸石組が石垣の造形

    護岸石組が石垣の造形となっており美しい。また湧水の基点となっている育徳泉が庭園自体を見学できるスタート地点であるが、最初から景色の全景を見せない工夫がされているとのこと。

  • 切通し道

    育徳泉から御殿に繋がる切通し道には太湖石をみせるような仕掛けになっている。


総評
中国庭園の主要素である石灰岩を随所に活かした庭園ながらも、中国庭園のように全面押しをしておらず控えめな利用に留めているところに日本文化をみられる。
×特に見当たらない。


アクセス
沖縄県那覇市字真地421-7
ゆいレール「牧志」駅 徒歩2分のバス停「牧志」から5番系統の路線バスで15分

駐車場
有り(無料)

開園時間
4~9月 午前9時~午後6時(入園は午後5時30分まで)
10~3月 午前9時~午後5時(入園は午後4時30分まで)

入園料
大人 400円
小人 200円

公式サイト

地図
正門にピンを立てています。
訪問日 2023-04-28 (金) 更新日 2023-05-03



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よくある質問


いつごろ作庭された庭園ですか。
作庭時期は江戸です。
雨でも濡れずに楽しめますか。
室内からも庭園を楽しめますが、庭園を満喫するには屋外を回遊する必要があります。
抹茶や珈琲などを楽しむところはありますか。
残念ながら、ありません。



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