祇園四条・河原町近くの落ち着いた庭園6選
京都の中心部である四条河原町。このエリアは阪急「京都河原町」駅と京阪「祇園四条」駅があり、京都駅に次ぐ交通の要でもある。四条大橋から鴨川を眺めたり、鴨川沿いを散歩したりと賑わう中心地でありながらも京都を感じることができる場所です。この場所から徒歩15分以内で落ち着いた雰囲気で庭園を拝観できる寺院を5ヶ所紹介。また番外編として京都タカシマヤにある隠れた庭園も最後に紹介します。
目次
四条大橋からの徒歩時間
円徳院
豊臣秀吉の正室(本妻)である「ねね」の愛称で知られる北政所が晩年を過ごした高台寺の塔頭寺院が円徳院である。全国約1000ヶ所の庭園を眺めてきたなかでも印象的であった庭園であり、コンパクトながらも力強い石組に囲まれた書院から眺める北庭は見事である。
円徳院には北庭と南庭に別れており、南庭は日本最高峰の庭園「桂離宮」などに修復整備に関わった森蘊(おさむ)監修によるもの。
建仁寺
2022年のJR東海「そうだ京都、行こう。」のCM舞台ともなった建仁寺。臨済宗建仁寺派の大本山であり、京都五山の第3位である古刹。写真の「潮音庭(ちょうおんてい)」は。苔の野筋に力強い立石により三尊石を組み周辺には横石を配置。息を呑むような石組である。
建仁寺には3つの庭があり、こちらは白砂敷きの枯山水「大雄苑(だいおうえん)」。2つの苔島で三尊石を表現しており、潮音庭とは趣の異なる開放感溢れる庭となっている。祇園の花見小路通りを歩いていった先にあるため多くの観光客で賑わう寺院であるが、視点場が多いため落ち着いて観賞できる。
高台寺
高台寺は豊臣秀吉の正室(本妻)である「ねね」が秀吉の冥福を祈るため建立した臨済宗建仁寺派の寺院である。そのため高台寺は「ねねの寺」とも呼ばれる。
方丈南庭の「波心庭」はイベント毎にあしらいが変わり、和傘が並べられたり、このように色が塗られていたりとかなりアグレッシブ。石組は望遠レンズで撮影してみると・・・
写真のような本格的な石組であり枯滝石組とのこと。おそらく中央の一番大きい立石が滝に見立てた滝石であろう。
霊源院
建仁寺塔頭寺院の霊源院には、霊源院で出家した今川義元の生誕500年を記念した新庭園「鶴鳴九皐(かくめいきゅうこう)」が2020年5月、つまり令和元年に完成した。おそらく令和で初となる枯山水だろう。
鶴鳴九皐に設けられた座禅石では、なんと立ち入って座禅を許可されているので、このような写真を撮影することもできる。このような体験ができるのは京都の座観式の枯山水では、唯一ではないだろうか。なお霊源院の庭園拝観は常時公開されていないが、特別公開の時期は比較的長く、拝観できるチャンスは多いです。公式サイトでは特別公開期間は掲載されていないためfacebookなどで確認するのがよいでしょう。
両足院
建仁寺のある敷地に室町時代までは五山文学の最高峰とされた両足院がある。庭園は普段は非公開であるが、半夏生が咲く6月下旬から7月と秋に特別公開される。
6月下旬から7月には、上の写真のように葉が半分、白く化粧していることから半夏生(はんげしょう)と呼ばれる花が咲く。
池泉庭園は池泉の形が鶴になっており、築山からみると右側が鶴の首で羽を広げた鶴の形になっている。築山からの様子は庭園情報で確認してみよう。
京都タカシマヤ「浮かぶ坪庭」
最後は番外編として京都タカシマヤの最上階にあるダイニングガーデン京回廊を紹介。こちらにはエレベータの頭上に天井から吊り下げられた坪庭がある。
トップライトの自然光で柔らかに照らされた坪庭は「浮かぶ坪庭」と呼ばれ、自然光によって照らされることで朝から夜へと変化していく。市内中心部にありながら、ちょっと一息できる空間である。