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日本三名園と選定理由

日本三名園とは金沢市の兼六園、岡山市の後楽園、水戸市の偕楽園。いつからこの言葉が使われたのかは定かになっていないですが、文献では明治後期ごろから使われていることが分かっています。その選定理由や三名園を越える大名庭園などを紹介していきます。

目次

三名園の選定理由

選定理由は諸説あるようですが、有力なものとして「雪月花の割当」。

雪月花(せつげっか)とは、自然の美しい景物を指す言葉であり、唐時代の漢詩人・白 居易(はく きょい)の一句「雪月花時最憶君(雪月花の時 最も君を憶ふ)」からきている。この雪月花に当てはめて日本三景の「雪の天橋立」、「月の松島」、「花(紅葉)の宮島」が雪月花に割り当てられている。

雪月花を庭園に当てはめると「雪の兼六園」、「月の後楽園」、「花(梅)の偕楽園」となる。いずれも江戸時代に作庭された大名庭園であり、広大な敷地に作庭されているのも共通している。

三名園より美しいと評された栗林公園

このことは明治43年に文部省から発刊された「高等小学読本」で紹介されていた。「高等小学読本」とは、現在での中学校第1学年・第2学年が勉強する教科書のことである。

本書には日本三名園として兼六園、後楽園、偕楽園を紹介しているが、栗林公園は三名園よりも優れていると紹介していた。教科書に著者の好みのような記載がされているようなことに驚くが、そのように感じることについては私も同感できる。

兼六園(石川県金沢市)

兼六園 ことじ灯籠
兼六園 ことじ灯籠

金沢を代表する観光地の兼六園は、加賀藩の前田綱紀(つなのり)が、ここに別荘を建築したのが始まりです。観光都市の金沢の中心部にあることからロケーションも良く入園者数もダントツ。

三名園の入園者数(2019年)

兼六園280万人
後楽園80万人
偕楽園100万人(2019年11月より有料化)

兼六園 曲水
兼六園 曲水

兼六園では日本最古の噴水、ことじ灯籠、雁行橋(がんこうばし)などが有名であるが、私がお薦めしたいポイントは曲水である。パンフレットなどでは特に説明はないが、良質な苔と穏やかな水の流れが美しく、観光客が賑わう兼六園のなかでも心落ち着く光景。

時雨亭
時雨亭

多くの観光客で賑わう兼六園の穴場は茶屋「時雨亭」である。茶亭利用料がかかることから、人混みを避けられ、かつ書院からの庭園は立ち入りできないため、お庭だけを純粋に楽しめ、写真撮影も最適な場所といえます。

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開園時間3月1日~10月15日 7:00~18:00
10月16日~2月末日 8:00~17:00
入園料大人 320円
小人 100円(6歳~17歳)

後楽園(岡山後楽園)

後楽園 沢の池
後楽園 沢の池

備前岡山藩の第2代藩主・池田 綱政の指示で、14年の歳月を掛けて江戸時代(1700年)に完成した後楽園。東京の小石川後楽園と区別するために「岡山後楽園」とも呼ばれる。三名園のなかでは、見どころポイントが最も多いのは後楽園と考えている。

後楽園 陰陽石
後楽園 陰陽石

たとえば子孫繁栄の象徴とされる陰陽石。陰陽石とは男根を陽石、女陰の形に似る石を陰石と呼び、藩主が作った大名庭園や武家屋敷の庭園では、跡継ぎが重要であることからしばしば見られる。

後楽園ライトアップ
後楽園ライトアップ

後楽園ではGW、夏、紅葉シーズンに開催されるライトアップイベントもお薦めです。ライティングされた岡山城を借景にして後楽園を廻遊できます。

後楽園ライトアップ
後楽園ライトアップ

苑路はフットライトで優しく照らされ、ライトアップされた庭園としては日本最高峰だと私は思う。

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後楽園ライトアップイベント

開園時間3月20日~9月30日 午前7時30分~午後6時(入園は午後5時45分まで)
10月1日~3月19日 午前8時~午後5時(入園は午後4時45分まで)
入園料一般 400円
高校生以下 無料

偕楽園(水戸市)

偕楽園 梅林
偕楽園 梅林

常陸水戸藩の第9代藩主・徳川斉昭(なりあき)により、造園構想から僅か1年後の1842年に開園した偕楽園。偕楽園といえば「梅林」で知られており、梅まつりシーズンに年間入園者数の約半数を占める。

偕楽園 好文亭
偕楽園 好文亭

偕楽園で日本庭園を感じるには好文亭は外せない。別途料金がかかるが梅林のみでは、日本庭園好きには正直もの足らない。2階建てになっており1階からは書院から庭園を望め、2階からは写真のように千波湖や、偕楽園外にある田鶴鳴(たづなき)梅林まで眺められる。

偕楽園 ライトアップ
偕楽園 ライトアップ

梅まつりシーズンにはライトアップイベント「梅夜祭」が行われるが、これが見事である。正直、昼間よりも夜のほうが美しいのではないだろうか。シュア心は見晴らし広場からライトアップされた梅と千波湖を眺める。

偕楽園 孟宗竹林
偕楽園 孟宗竹林

数千本におよぶ孟宗竹林(もうそうちくりん)のライティングなど京都の寺院に訪れたような美しい小径である。梅まつりシーズンに偕楽園へ訪れるのであれば、夕方に訪れて日中と夜の両方の姿を楽しむことを強くお薦めしたい。

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偕楽園ライトアップ

開園時間本園:午前6時~午後7時(2/20~9/30)、午前7時~午後6時(10/1~2/19)  
好文亭:午前9時~午後5時(2/20~9/30)、午前9時~午後4時30分(10/1~2/19)
入園料本園:大人300円 小人150円(小・中学生)
   ただし観梅時期以外は午前9時までは無料

好文亭:大人200円 小人100円(小・中学生)

栗林公園(香川県高松市)

栗林公園
栗林公園

明治時代の教科書で三名園よりも美しいと評されていた栗林公園。室町時代の高松城主・生駒氏の家臣、佐藤志摩介が、隠居時に仏教信仰の為の作庭したのが始まりと言われる。その後、高松藩主・松平頼重により造築され江戸中期に完成。

栗林公園 飛猿巌(ひえんがん)
栗林公園 飛猿巌(ひえんがん)

大名庭園は広大な敷地に造られているだけい単調になりがちであるが、栗林公園の南庭は歩を進めるほどに景観が変わっていく。このことを「1歩1景」と呼ばれるが、まさしくその通りである。

栗林公園 池泉舟遊式庭園
栗林公園 池泉舟遊式庭園

栗林公園の大きな魅力は。池泉舟遊式庭園を体験できることだろう。池泉舟遊式庭園の成り立ちは平安時代に貴族達が舟を浮かべて移り変わる庭園を楽しむものであり、現在では常時そのような体験ができる庭園は栗林公園だけである。これを体験するだけに栗林公園を訪問する価値があるといえる。

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開園時間ほぼ日の出から日没まで
入園料大人 410円
小中学生 170円

公開日: 2023年4月22日
最終更新日: 2023年7月16日