宗吾霊堂 石心苑
そうごれいどう せきしんえん
宗吾霊堂は東勝寺のことであり、江戸時代に生活に苦しむ農民のために将軍に直訴して処刑されたという伝説をもつ佐倉 惣五郎(通称:宗吾)の霊が祀られていることから宗吾霊堂と呼ばれている。また最寄り駅も宗吾参道駅となっている。境内には宗吾霊360年祭を記念して、平成24年(2012)に船橋市在住の篤信川野辺豊秋氏によって奉納された日本庭園がある。
googleマップで偶然見つけた枯山水。個人の寄付によって作庭されたものであり、その方の名前を含めた「豊秋 石心苑」と名付けられた。また写真右奥には三波石が置かれており、こちらは昭和42年(1967)に宗吾御一代記館開館記念として、個人より寄進されたものである。三波石とは青色ひとつであり、国指定名勝「三波石峡」で産出され、三波石の見本庭園が群馬県藤岡市にある。
植栽の割合が非常に多い枯山水である、
枯池を設けているが、よくみると枯池は3つに区切られている。
上流には二段落としの枯滝石組を設けているが、滝水が流れ落ちる水落石の岩肌が水流を模していて秀逸な石の選定である。このような意匠は京都の本法寺などで同様の事例を確認できる。
枯池には白砂を敷いているが、黒い防草シートが露出しているのが残念である。
3つの枯池は高さを変えてあり、左、右、奥と徐々に高さをつけている。つまり滝水が3つの池を伝っていく様子を表現しているのだろう。また左と右の池泉の境には岬灯籠が置かれている。さらに一番奥には。京都市役所近くにある善導寺が元となっている善導寺型灯籠を配置。善導寺型灯籠の詳細は富山県朝日町の護国寺を参考にして欲しい。
近代の庭園であるが、成田周辺には日本庭園が少なく貴重な庭園のひとつであった。
○ | 二段落としの枯滝石組に選定された水落石の岩肌が水流を模していて見事である。 |
× | 防草シートが露出してしまっているのが残念。 |