金戒光明寺は浄土宗大本山のひとつであり、くろ谷さん(くろだにさん)とも呼ばれる。創建は平安末期(1175)に浄土宗を開祖した法然によって開山。方丈前庭は大方丈の再建された平成19年(1944)に「昭和の小堀遠州」と称えられた作庭家・中根金作によるもの。紫雲の庭は平成18年(2006)に日本を代表する造園業者・植彌加藤造園によって作庭された。例年、秋に特別公開が行われて見学できる。大本山:総本山の次に格式ある寺院。開山:初代住職。
「紫雲の庭」は、金戒光明寺の初代住職である法然上人800年大遠忌として、法然上人(しょうにん)の生涯を庭石で表現。右側は法然が誕生した岡山県の「美作(みまさか)」での幼少時代を、左側が比叡山延暦寺での修業時代、中央が浄土宗開宗・金戒光明寺の興隆を表した、絵巻物のような構成となっている。
浄土宗開宗・金戒光明寺の興隆を表した野筋にあるひときわ大きな石が「法然上人」に見立てている。野筋:低い築山
右手前が浄土宗開宗・金戒光明寺の興隆を表したエリアであり、大きな立石が「法然上人」。そして奥にある野筋で、比叡山延暦寺での修業時代を表している。
比叡山延暦寺での修業時代を表した野筋の奥には、池泉があり琵琶湖に見立てている。
茶室「花峯庵」
茶室「花峯庵」にある蹲居(つくばい)の造形美が素晴らしい。蹲居については、新潟県新発田市の清水園の記事を参考にして欲しい。
露地門から露地へ繋がる。
方丈北庭は池泉庭園になっており、中島を設けている。
池泉には水が流れている滝石組と、水の流れていない枯滝石組がある。前者は木々に遮られ肉眼では確認しにくいが、枯滝石組は上から眺められる。切石を立て水路を造り、他に例をみない工夫で面白い。
中島は護岸石組で囲まれ、右側に亀頭石ような石を据えている。亀島と考えられるだろう。
池泉は「ご縁の道」と呼ばれる苑路で回遊でき、東屋のこの場所が視点場となっている。そして案内板によるとハート型の石があるとのこと。探してみると、、、
見つかった! ちなみにこちらの庭園は、2012年にNHK「仕事ハッケン伝」にて、お笑いタレントの麒麟・川島さんが本庭園を作庭して植彌加藤造園に弟子入りして造園を手伝っていた。
金戒光明寺の案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 中根金作や有名造園業者による池泉庭園、枯山水、露地を一度に拝観できる。 |
× | 特に見当たらない。 |