二条城は1603年に江戸幕府初代将軍・徳川家康が築城し、そのときに二の丸庭園も造られた。本丸庭園は明治天皇の指示で、明治29年(1896)に作庭された。清流園は、二条城造営時には天守閣が置かれた場所であり、昭和40年(1965)に庭園に芝生を初めて用いた植木職人7代目・小川治兵衛(おがわ じへえ)によって作庭。
明治天皇の指示によって造られた本丸庭園。築城当初は枯山水庭園であったが、すぐに芝庭風築山式庭園に変えられ、本丸の2階から天皇が、植栽の位置まで指示して造られたとのこと。シンプルで上品さはあるものの、どことなく見応えが感じられないのは何故だろう。なお、特別名勝の二条城 二の丸庭園の記事はこちらです。
そのなかで、青石を寝かせて据えているところは、目が引いた。
加茂七石庭。京都では龍安寺の石庭など、鴨川の上流で採石された加茂七石が使われている。代表的な石に鞍馬石が挙げられ、写真では手前から2番目の平たい大きな石である。他には、八瀬真黒石・畑石・糸掛石・紅加茂石・紫貴船石・畚下石(ふぐろいし)があり、これらを一度に観賞できる石庭である。
左が畚下石(ふぐろいし)、中央の黒い石が紫貴船石、右と手前の小石が紅加茂石となる。ちなみに「賀茂の三石」というものもあり、こちらは醍醐寺 三宝院庭園でみられ、二条城と同じく世界遺産である。
つづいて清流園へ。こちらは無鄰菴(むりんあん)などを作庭したことで知られる植木職人7代目・小川治兵衛(おがわ じへえ)によって作庭。通称、植治(うえじ)と呼ばれる。この庭園は右側が芝生をメインとした洋風庭園。左が池泉庭園となっている。洋風庭園は見応えがなかったため、池泉庭園をご紹介。
池泉の奥に見えるのが香雲亭。通常非公開だが2017年より期間限定&人数限定の予約制で香雲亭で朝食を頂ける。料金は別途3,300円+入城料となるが、本来の視点場から粥御膳を頂きながら池泉庭園を観賞できるのは貴重な体験だろう。撮影もできるとのことなので、機会をみて予約してみたい。
洲浜から飛石が池泉の中まで続いて、その先に中島があるという意匠になっている。中島も中心石には鞍馬石と思われる銘石を据え、品格を生み出している。蓬莱山に見立てたものだろうか。
庭園東部にも中島があり、両側から切石を掛けている。
和楽庵には京都の老舗珈琲店である前田珈琲が運営する「茶房 前田」がある。和楽庵からの眺めは良さそうだったので入店。
入店して正解だった。和楽庵からの眺めは清流園では必見ポイントだろう。手前は平たい丸石による洲浜で、それ以外の汀線は巨石による護岸石組となっている。
中島両側には切り橋を掛け、また手前の出島には可愛らしい岬灯籠を据えている。
和楽庵へ続く飛石。
アイスグリーンティを頂く。濃くて美味しい。1杯500円
二条城 案内図 [ 案内図を拡大する ]
○ | 和楽庵から眺める清流園は、庭園の奥行きを感じられ、二条城の3つめの庭園の締めとしては見応えあるものだ。和楽亭でのブレークタイムはお薦めである。 |
× | 特に見当たらない。 |